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『カウンセリングの理論』読了 [カウンセリング]

『カウンセリングの理論』 国分康孝著 誠信書房
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ひょんな事で知り合ったカウンセリングの先達、Uさんに進めて頂いた一冊です。

著者の国分氏は「折衷主義」をいう考え方を提唱されています。「和洋折衷」という言葉がありますが、これは日本と欧米の特徴を両方取り入れる事です。カウンセリングでの折衷主義とは、数十種類存在する様々なカウンセリング方法を、相談者に応じて上手に使い分ける事を指しています。

国分氏は本の中で「来談者に何をしてあげたらよいかを考えずに、自分の理論では何が出来るのかを考えるのは、来談者中心ではなく理論中心である」と述べています。
そして章を分けて様々なカウンセリング理論を紹介し、その歴史や長所短所を列挙しています。

もちろん一人のカウンセラーが全ての理論に精通するのは困難です。ベースとなる理論を持ちつつ広い知識を得て、来談者に自分の理論が合わないと判断すれば、他の理論のエキスパートを紹介するなどの方法が、より来談者の事を考えているのではないか、という考え方です。


これは非常に頷かされる考え方でした。
仏教にも多くの宗派がありますが、共通する目的は「悟り=深く正しい思考から生まれたこころの平安」です。その悟りを得るために、お釈迦さまは相手の能力や性質に応じて様々な方法を説かれました。相手の病気に応じて薬を与える事に似るその方法は「応病与薬」と言われます。悟りに至る様々な方法論が、後に宗派となって別々の発展をしていったのです。

私は真宗の僧侶ですので「念仏」が自分に最も合った方法と信じ、人にも勧めています。座禅や写経などを積極的に勧める事はしません。しかしそれは国分氏が述べた「来談者中心ではなく理論中心である」という事になるのではないでしょうか。

深く考えさせられる一冊となりました。

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