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ワークショップ「死の体験旅行」 [死の体験旅行]

facebookで少しご案内をしていましたが、先日なごみ庵でワークショップ「死の体験旅行」を開催しました。
死の体験旅行…なんだか名前が怪しいですよね(苦笑)
でも別に妙な儀式とかではなく、欧米ではホスピスのボランティアや医療関係者が行っているワークショップ(体験学習)だそうです。

数年前にこのワークの存在を知り、どうしても受けてみたくて色々と調べていました。しかしなかなか一般参加ができる会が無く、悩んだ末「そうだ、自分で開催しちゃえばいいんだ!」と思い立ち、ご講師に依頼、快諾を頂いたのです。

内容としては、ある架空の人物が病気になり悪化してゆき、最後は死を迎えるという物語を、自分に重ね合わせながら聞いていきます。そして要所要所で自分の大切なものを捨てていくイメージをしていきます。非常に重く濃い内容だろうとは思いましたが、お坊さんの仲間を中心に声を掛け、12名の方がなごみ庵に集まってくれました。本当はもっと集めたかったのですが、なごみ庵ではこの人数が精一杯。皆さんには窮屈な思いをさせました。

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ワークショップ前の講義の様子です。私を含め参加者13名。11名が僧侶(天台宗・真言宗・浄土宗・曹洞宗・浄土真宗)、2名が一般。性別は11名が男性、2名が女性でした。
手前右端がご講師の先生ですが、今までは女性が多い場での開催が多く、今回は珍しいとの事。また僧侶ばかりの受講も初めてとの事で、先生にとっても珍しい会になったようです。

内容について上に記しましたが、もう少し詳しく言うと、自分の大切なものを20枚のカードに書くわけです。そしてそれを捨てていくのですが、途中から本当に辛く苦しくなり、涙がボロボロ流れました。他の方も鼻をすすったりハンカチを目に当てたりしていたので、涙を流しながらワークを受けている方が多かったと思います。

P1030154.jpg
終了後、2班に分かれて「分かち合い」をします。色々な感想や意見が飛び交い、それぞれ大切なものが違ったり、大切なものを捨てる理由が違ったり、興味深いです。

また全体での話になり、そこで「最後の1枚に残ったのは何か」を発表しました。配偶者や家族を挙げた人が多かった中、「念仏」や「水」を挙げた方もいて、それぞれの理由もまた興味深いものでした。


私たち僧侶は、「死」の後に関わりを持つ場合がほとんどです。そして深い関わりを持ちたくなければ、通夜葬儀に行ってお経だけ読んで、法話もせず会話もせずに帰ってきてしまえば、それで済んでしまいます。

でも、私は家族を亡くして悲しんでいる方に寄り添える存在になりたいし、さらに一歩突っ込んで死に直面している人の苦しみをわずかでも軽くしたい。そのためには、その方の気持ちに少しでも迫った経験を持ちたかったので、このワークは私に必要なものでした。そして同じ気持ちを持って多くの仲間が集まってくれた事が、とても嬉しく心強く感じました。

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ボンゾ

素晴らしい試みですね。

読んでいて、自分が病気になり、大切なものを少しずつ諦めて来た事を思い出しました。では、今自分が維持しているものは大切なものなのか・・・というと、ちょっと自信がないですが・・・

最近では、「生きてるだけで丸儲け」などと思っております・・・
by ボンゾ (2012-09-28 20:29) 

悟道

概略をご案内いただきありがとうございました。
20枚の大切なものですか・・・私ならなんだろう?
妻・子・仕事・友達・・・・・
20枚も要らないかもしれない
でも、その数枚は絶対に手放せないというものばかりかなあ。
それがむしり取られるように無くなってゆく状況を想像すると苦しくなるばかりですね。
by 悟道 (2012-09-28 23:10) 

ボーズandカナコ

>ボンゾさん
病を得て歩まれてきたボンゾさんがおっしゃる「生きてるだけて丸儲け」は、とても説得力を持っているように思います。

>悟道さん
私の場合、最後の残るものと、早めに捨てられるものは書きながらわかっていました。
中間付近のカードの残り方が面白かったですね。
by ボーズandカナコ (2012-09-29 00:22) 

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