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2015年11月号 [和庵だより]

◇ 僧侶の役割 ◇

 なごみ庵においでになった方は、階段ホールにかけられた立派な書をご覧になっていると思います。これは縁人(えんじん)のお一人であるTさんから寄贈されたものです。Tさんとは東日本大震災一周年の行事においで頂いたことがご縁で、ずいぶんと私を高く買ってくれていました。
 時おり書の作品を手土産に来庵されましたが、体調不良もありここ最近はお顔を見ることができず心配していたところ、訃報が届きました。法名について相談を受けていたこともあり、「通夜葬儀は、なごみ庵の住職に」とおっしゃっていたそうです。
 残念だったのは、ご存命のうちにお見舞いに行けなかったことです。「坊さんが見舞いなんて縁起でもない」というのは日本だけの話で、世界の多くの国では、病院に僧侶や神父が普通に出入りし、患者さんの悩みに耳を傾けるなど活躍をしています。おそらく日本でも十数年後はそれが普通の社会になる、と私は思っています。

 重い病になった時、医師にも看護師にもカウンセラーにも、そして家族や友人にも解決できない問題が現れてきます。スピリチュアルペインとも「魂の問い」とも言われますが、宗教者でなければ対応することのできない根源的な苦悩のことです。

 作家の遠藤周作さんは編集者に「これを読んだら安心して死ねる、そんな作品を書いて下さい」と頼まれた時、「俺には書けない…そんなものがあるとしたら、親鸞の言葉がそれかな」とおっしゃったそうです。
 魂の問いから目を逸らして時を過ごすのか、それとも聞かねばならぬことを聞く勇気を起こすのか。もし後者を選ぶ方がいたら、私はぜひそのお手伝いをさせていただきたいと思っています。


△ お 知 ら せ △

@11月12日(土)〜16日(月) 坊守(お寺の奥さん)舞台に出演!
劇団ハートランド 第19回公演『脚光を浴びない女』 観覧申込はお寺まで。

@12月1日(火)16時より 自死者追悼法要「いのちの日 いのちの時間 東京」
今年は真言宗豊山派 大本山 護国寺(東京都文京区)さまを会場として開催されます。
詳細をお知りになりたい方は、どうぞお寺までご連絡ください。

@12月13日(日)13時より 報恩講法要 法話 松本紹圭師
別紙に詳しく書きましたが、今年の報恩講は住職の旧友でもあり、いまや日本若手僧侶のトップランナーと言っても過言ではない松本紹圭さんをお招きすることができました。多くの皆さまと共に耳を傾けたいと思います。準備の都合上、申込の連絡をお願いします。

@12月26日・1月9日・1月16日(全て土曜日)13〜17時 養老指南塾
これも別紙に詳しく書かれていますが、偶然のご縁で知り合った真言宗尼僧にして看護師でもある玉置妙憂さんがメイン講師となって、介護や看取りについて学びます。
私の母も老いを感じる年齢となり、人ごとではありません。また、子が親を介護するだけでなく、夫婦だけで暮らしている年配の方にも避けて通れない問題ではないでしょうか。
座学だけではなくワークショップ(体験学習)もあり、実り多い学びになると思います。住職と坊守も共に学びますので、実質定員8名です。興味のある方はお早めにお申込ください。

◎課外活動 盆おどり部…11月19日(水)17時〜 平川町内会館にて

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