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2015年12月号 [和庵だより]

◇ 恨みを受け取らない ◇
 フランスの大規模テロで妻を失ったジャーナリスト、レリス氏の言葉が世界を駆け巡っています。もし皆さんの愛する家族がテロで命を奪われたら、どう思われますか? 憎しみに心が満たされ、復讐を考えるかもしれません。しかしレリス氏は「君たちに憎しみを与えない」と題した文を書かれたのです。

 (前略)私は決して、君たちに憎しみという贈り物を贈らない。君たちはそれを望むだろうが、怒りで応えることは、君たちと同じ無知に屈することになってしまう。君たちは、私が恐怖し、周囲の人を疑いのまなざしで見つめ、安全のために自由を犠牲にすることを望んだ。だが、君たちの負けだ。私はまだ、私のままだ。
 今朝、(亡きがらの)妻に対面した。幾晩も幾日も待ち続けた末に。彼女は金曜日の夜に会った時と変わらず美しく、そして、恋に落ちた十二年以上前と同様に美しかった。もちろん、私は悲しみにうちひしがれている。だから、君たちのわずかな勝利を認めよう。でも、それは長くは続かない。彼女は、いつも私たちと一緒に歩む。そして、君たちが決して行き着くことができない天国の高みで、私たちは再び出会うだろう。(後略)

 レリス氏はまた、「私は息子に憎しみや暴力、恨みを抱えたまま育ってほしくない」とも語っています。愛する息子を憎しみの連鎖に巻き込むことは、亡き妻が望んでいないとお考えになったのでしょう。
 親鸞聖人の師 法然上人は幼少時、父を争乱で失います。いまわの際で父は子に「仇を討ってはならぬ」と遺言し、子は出家の道を選びました。
 「怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みのやむことがない」というお釈迦さまの真理の言葉が胸に迫ってきます。


△ お 知 ら せ △

◎11月28日(土)23時〜 BS6チャンネル(BS-TBS)「Together」出演
世代間対話の番組「Together」に出演いたします。「あなたは何歳まで生きたいですか?」というテーマで、芥川賞の羽田圭介さんや俳優の関口知宏さん(関口宏さんご子息)と対話します。

◎12月13日(日)13時より 報恩講法要 法話 松本紹圭師
今年の報恩講は、住職の旧友でもあり、いまや日本若手僧侶のトップランナーと言っても過言ではない松本紹圭さんをお招きすることができました。私も多くの皆さまと共に耳を傾けたいと思います。準備の都合上、可能な限りお申し込みをお願いいたします。

◎12月16日・1月9日・1月16日(全て土曜日)13〜17時 養老指南塾
真言宗尼僧にして看護師でもある玉置妙憂さんがメイン講師となって、介護や看取りについて、座学だけではなくワークショップ(体験学習)もあり、実り多い学びになると思います。
お陰様で全日程ほぼ満席となりましたが、ご興味のある方はお寺までお問い合わせ下さい。

◎大みそか 二歳参り(ふたとせまいり)12月31日(木)22時ごろ〜
夜22時頃ごろから軽く食事をしたり歓談しながら時を過ごし、日付が変わる直前の23時55分ごろから短いお経をお勤めし、年の変わる瞬間をお経とお念仏とで過ごします。
準備の都合上、可能な限りお申し込みをお願いいたします。

◎課外活動 盆おどり部…12月16日(水)17時〜 平川町内会館にて

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