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2017住職塾サンガの集いin金沢 [その他色々]

「金沢にとんでもないお坊さんがいる!」
浄土宗の井上広法さんがテレビ番組「カンブリア宮殿」で見た、社会福祉法人 佛子園の理事長 雄谷良成さんが、実は日蓮宗のお坊さんとのこと。
毎年の「未来の住職塾サンガの集い」でどこに学びに行こうかと考えていた時に、素晴らしい情報にめぐり合った。

先方が日蓮宗なので、サンガの日蓮宗僧侶を通じてアプローチしている時、「もうひとり、金沢にとんでもない方がいる」という情報が出てきた。
テレビドラマ「ナポレオンの村」のモデルになった人物、あるいは『ローマ法王に米を食べさせた男』の人物といえば、ピンとくる方もいるかもしれない。スーパー公務員と呼ばれるその方も、奇しくも日蓮宗僧侶だった。

非常にお忙しい2人の予定を何とか抑えることに成功。来年からの「集い」が危ぶまれるほどの豪華講師陣となった。


1日目
僧侶は予定が読みにくいので、通常はこうした行事の直前に申し込む場合が多いが、今回の「集い」では早い段階で申し込み枠が埋まった。万難を排して集まってくれた30名の僧侶たちは、金沢駅から講演会場件宿泊場所の湯涌温泉に向かう。

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旅館なので和室での講義。

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眼光鋭い高野誠鮮師。
過疎の村を再生させることに「本気」で取り組み、獅子奮迅の働きを続け、ついには村の米をローマ法王に献上し、全国から注文が殺到するブランド米を確立した。
表面から見れば「ブランド戦略が成功した」という点に注目が集まるが、実際の講演ではそこに至るまでの「戦い」と呼べる日々が語られた。
「自分は理念を実践しているだけ」
「成功するまで続ければ、失敗は無い」
気迫を込めて仰る高野師は、不動明王の化身のようであった。


2日目
臨済宗僧侶で、宗派を超えて世界で活躍した鈴木大拙の記念館に立ち寄る。
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普通、記念館というと展示物が並べられ説明書きが並べられるが、この館にはそれが無い。
シンプルさを追求し、見て感じるということに重きを置いているようで、禅が形になって現れたような施設だった。
http://www.kanazawa-museum.jp/daisetz/


そして午後、社会福祉法人 佛子園に到着。
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雄谷師の活動をひと言で表現するのは難しいが、あえてひと言にすると「ごちゃまぜ」。
http://www.bussien.com/index.html#/

たとえば、子ども、高齢者、障害者、認知症……そういった方たちを扱うとなると、一般にはそれぞれの専門の施設で、ということになる。しかし雄谷師は様々な境遇にある方たちが、同じ空間で関わり合うという場を作り上げている。

本部である佛子園は、まさに「ごちゃまぜ」の施設。
中心にお寺があり、地域の方が使えるスペース、和食レストラン、温泉、保育施設、スポーツクラブなどが敷地内に収まっている。

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温泉はもちろん有料だが、地域の方は無料で利用できる。
だから近所の人は自分の家のようにやってきて、人々と交流を楽しむ。

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オープンスペースのオフィスは、もちろん施設の職員が働いてもいるが、近所の人がお弁当を持ってきて食べたり、学生が勉強しに来たりと使い方は自由。
コーヒーマシンがあり、近所の方はマイカップを置いて一杯を楽しむ。自分のカップがあることで、やはり自分の家のように落ち着ける場になっている。

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これらを体現した雄谷良成師。
優しく穏やかな語り口は、前日の高野師とは対照的で、慈悲の菩薩のようであった。

「ごちゃまぜ」が心地よい。それを体感する出来事があった。
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館内のレストランでコーヒーを飲んでいたら、1人の青年がフラリと近づいてきた。その青年が、私のコーヒーについているミルクを手に取る。そしてそれを開け、私のコーヒーに入れてくれた。

内心驚きながらも「有り難う」と言うと、青年はおもむろに私のコーヒーをひと口飲み、フラリと去っていった。呆気にとられてしまった。
後で聞くと障害をお持ちの方とのことだが、起こった出来事が嫌じゃない。もちろん街中のカフェで同じことが起こったら怒ってしまうかもしれないが、佛子園では心がオープンになり、少々の出来事は受け入れられてしまう。

雄谷師がつくる「ごちゃまぜ」の施設は、この大らかさこそが最大の特徴なのかもしれない。施設が出来た過疎地は、「なんだか居心地がいい」と人口が増加に転じた。それを感じさせてくれた青年に感謝しつつ、金沢を後にした。

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