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不安に寄り添う [その他色々]

なごみ庵のご近所のOさん。
最初の来庵はお父さまとお嬢さんで、お母さまが危篤というご相談でした。

この種の相談は、その後体調が回復して「杞憂でしたね」ということも少なくありません。
しかしOさんの場合は本当に数日後にお母さまが亡くなり、事前に相談していた通りにお通夜・ご葬儀をさせて頂きました。


1年半後、今度はお父さまが危篤になり、お嬢さんが来庵されました。
そして今回も数日後、亡くなったと連絡があったのです。
前回はお父さまと一緒に母親を見送ったのですが、今回はお1人で、とても心細そうなご様子でした。

亡くなったその日、前回と同じ葬儀社にご遺体が運ばれることになり、近所ですので私もその車に飛び乗りました。
枕経をお勤めして失礼しようかとも思ったのですが、心細そうなOさんが気がかりで、葬儀社と打ち合わせをする間、ずっとご一緒させて頂きました。

葬儀社の方はさぞかし話しにくかったと思います。
後ほどお詫びを申しますと「ご住職がご一緒というのは初めてですが、お施主さまも心強かったと思います、有り難うございました」と仰って頂きました(まあ「邪魔だから帰れと思いました」とは言えませんものね(笑))。

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帰り道、Oさんからも「とても心強かったです」と仰って頂きました。
こちらは、1人で全てを決めるというのは不安もあるでしょうから、本心からの言葉かと思います。
そして数日後、無事にお通夜と葬儀をお勤めさせて頂くことができました。


行政書士の勝桂子さんが書かれた『聖の社会学』にこんな事例が紹介されていました。(現在購入できないため、図書館にてご覧ください)


聖の社会学 (イースト新書)

聖の社会学 (イースト新書)

  • 作者: 勝桂子
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2017/04/09
  • メディア: 新書


1人暮らしの祖母と、都会で働く孫(間の親は亡くなっています)。
祖母が施設に入ることになり、施設から「お孫さんだけでなく、近隣ですぐに連絡が取れる人を知らせておいてほしい」と言われますが、親戚と疎遠で頼める人がいない。
法要の件もあって菩提寺の住職に相談すると、その住職が連絡先を引き受けてくれた。

これを読んで、お寺と檀家さんの関係性は、お店と顧客という関係に留まらず、半ば親戚のような関係性も持ち得るのだということに気づかされました。

今回の私の行動も、やはりこれに通じるものがあったように思います。
核家族化と高齢化が進む日本社会ですから、今後はこういった要望も増えるのではないかと思いますが、少しでもご縁の方の不安を和らげられるよう、考えていきたいと思います。

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