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W杯「他力本願」じゃいけない [その他色々]

久々の「いけない」シリーズ!

日本時間の2018年6月28日夜に開催されたサッカー・ロシアW杯。
日本のグループリーグ最終ポーランド戦を、「ああ、こりゃ明日のニュースは仏教用語の誤用が連発するだろうなぁ… (-_-;) 」と思いながら観ていました。

その仏教用語とは、『他力本願』
スクリーンショット 2018-06-29 06-29 21.18.51.png
翌日夜、Yahoo!ニュースのスポーツカテゴリーに限って「他力本願」を検索すると、62件の記事や写真がヒット。しかしよく見ると競馬や野球の話題も混じっているので、「他力本願 ポーランド」で検索しなおすと41件ヒット。これはほぼ全て、昨晩のW杯に関する記事のようです。

ほとんどの方がご存知と思いますが、4チーム中2チームが決勝ラウンドに進出できるという状況で、対戦国ポーランドに1点先制された日本が、他会場の試合の様子を見ながら、「1点差負けなら決勝ラウンド進出できそうだから、攻めずにパス回しをしよう」という戦術を選択しました。
他会場の試合の行方に自分たちの命運を賭けたその姿が「他力本願」と揶揄されているワケです。
(ちなみに、サッカーに詳しくない私はその戦術の是非についてとやかく言う気は全くありませんが、非難をする方の気持ちもわかりますし、逆に称賛する方の気持ちもわかります)


さて、ここで「他力本願」で辞書を引いてみましょう。
まずは大辞林。

①  〘仏〙 弥陀の本願の力に頼って成仏すること。
②  〔本来的な意味からはまちがった用法〕 他人の力に頼って事をなすこと。
①の最初の「仏」は「仏教用語」の意味です。そしてその言葉に複数の意味がある場合、最初に出てくる説明が本来の意味です。
けれどほとんどの人は、本来は誤用である②の意味で使っています。

次に世界大百科事典
阿弥陀仏が一切の衆生を救済しようとしておこした誓願。また浄土教で他力の弥陀の本願を頼むことをいう。
他力とはみずからの力によらないで,仏・菩薩の力によって救われること,とくに阿弥陀仏の四十八願,別しては第18願による救済をさす。
浄土教では浄土門・念仏行を他力とし,聖道(しようどう)門・余行を自力(じりき)とする。また他力を他力本願の意とし,本願によらないものを自力とする。
阿弥陀仏の本願力を名づけて他力とし,仏の本願力を頼む念仏を他力の念仏として,阿弥陀仏の本願力すなわち他力を頼んで,念仏による往生浄土を願うことを他力本願という。


なんだかややこしくなってきましたが、つまり本来の「他力本願」とは…
対象:他の誰かさんではなく、阿弥陀如来
目的:決勝ラウンド進出ではなく、成仏
この状況でのみ使うべき仏教の大切な言葉であって、野球とかサッカーとか政治とかで使ってほしくないんです!! (>_<)

とは言え、字面で誤解・誤用されてしまうのは仕方ないことだと思います。また辞書に複数の意味が載ってしまっている以上、誤用とも言い切れません。せめて昔のお坊さんが「阿弥陀力本願」とか「仏力本願」という言葉にしてくれていたら誤解も減らせたかもしれませんが、タイムマシンも無いので変えようがありません。

そこで「他力本願」の誤用を減らすため、新たな言葉を考えることにしました!
一般に願いごとをするのは神仏などです。
けれどサッカーの神さまなどいるのでしょうか…
Googleで検索すると…
pele.jpg
ペレ

ということで、今後はサッカーで「他力本願」という言葉を使いたい場合は…
「ペレ力本願」を使って頂けるようお願い申し上げます m(_ _)m

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あっちゃん

「往生」も色々と誤用されてますよね(T_T)


「他力本願」も字面だけ見れば、色々な状況に適用できる便利な言葉なんでしょうが、、
せめて公共放送では使ってほしくないような~。。


とは言うものの、辞書に載っている以上、誤用とも言い切れないのですね。 複雑な気持ちになりますね~。。

by あっちゃん (2018-06-30 12:14) 

ボーズandカナコ

選手もインタビューで口にしたそうですから、まあ仕方ないかな〜と思います (^_^;)
by ボーズandカナコ (2018-06-30 16:44) 

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