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2019年4月号 [和庵だより]

◇ 3.11から8年 ◇

自分自身の生や死について深く考えるワークショップ(体験学習)「死の体験旅行」は、毎月池袋の真言宗 金剛院さまをお借りして開催させていただいています。その日程を決める時、3月はあえて11日にしました。そう、東日本大震災の日です。

以前は死の話題は「縁起でもない」と避けられるものでした(ちなみに「縁起」本来の意味は、全ての事象には原因と条件があって結果が出る、というものです)。しかしあの大震災があって、死の話題をしようが避けようが、いつ突然にそれはやってくるのか分からない。ならば時には考えておかなくてはならない。日本人の多くがそう考えるようになったのだと思いますし、だからこそ「終活」という言葉も一般に広まりました。

また、メディアでも「死」はよく取り上げられるようになりました。「死の体験旅行」もやはり3.11の影響か取材も多く、3月5日発売のサンデー毎日、3月11日放送のNHKひるまえほっと、3月16日発売のDIMEと続きました。

仏教は最初の段階から、死から目を背けず見つめなさい、と説いてきました。なにしろお釈迦さまご自身の出家の動機のひとつは、葬列を目にしたことだと言われています。そして…
・明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかわ(親鸞聖人)
・まずは臨終のことを習うて、後に他事を習うべし(日蓮聖人)
・朝には紅顔ありて、夕べには白骨となれる身なり(蓮如上人)
・生のみが我らにあらず、死もまた我らなり(清沢満之)
などなど、僧侶の死に関する言葉は数多くあります。いえ、仏教だけでなく、ありとあらゆる宗教・哲学で「死」を問題にしているのです。皆さんも「縁起でもない」と避けず、時にはじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。


◎ お 知 ら せ ◎

◎春のお彼岸法要 〜親と子の読み聞かせ 絵本に学ぶ仏さまの教え〜
3月17日(日)13時より なごみ庵
お彼岸法要では、読経の後、坊守による絵本の朗読があり、続けてその絵本の内容に関する法話をいたします。どうぞお子さんやお孫さんもお連れになり、ご参加ください。
なお、茶話会のお菓子の準備などもありますので、できるだけ出欠と人数をお知らせいただければ有り難いです。

◎観劇ツアー『脚光を浴びない女』 4月21日(日)14時 下北沢ザ・スズナリ
坊守出演のお芝居『脚光を浴びない女』、一緒に観に行きませんか? ツアー日のほか、4月17日(水)〜24日(木)まで公演があります。お寺までお申し込みください。

◎寺社フェス「向源」 5月4日(土)・5日(日)目黒 五百羅漢寺・蟠龍寺
毎年ゴールデンウィークに開催される寺社フェス「向源」ですが、今年は5月4日・5日に目黒の2つのお寺で開催されます。詳細は「向源」で検索ください。
会場の1つである五百羅漢寺は、平成27年10月の合同バス旅行で訪れた、特徴的な本堂のお寺です。またもう1つの蟠龍寺は、山手七福神の弁財天が祀られています。

◎三浦霊園 合同墓 倶生の碑 合同参拝バスツアー 5月15日(水)
今年も気候が良いであろう5月の中旬に、合同墓のお参りに出かけます。
詳細は別紙をご覧ください。

◦神之木地区センター写経会 4月2日(火)・16日(火) 18時30分
◦死の体験旅行
 4月22日(月) 19時 豊島区 金剛院
 5月23日(木)・9月26日(木) 18時30分 神奈川大学生涯学習講座
◦自死遺族の集い 3月28日(木)・4月25日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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DIME 2019.3.15日号 [死の体験旅行]

雑誌DIMEの「バズワード」というコーナーで、「死の体験旅行」のご紹介をしていただきました。
DIME_201905_01.jpg

「バズる」って言葉を初めて聞いたのは何年前でしょうか…。
蜂がブンブン飛び回っている様子を「buzz」と言うそうで、そこからネット上で注目を集めるものを「バズる」と言うようになったそうです。

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3.11から8年の日に [死の体験旅行]

「まちのお寺の学校」事務局と「死の体験旅行」の予定を数ヶ月ごとに決めていますが、3月はある思いをもって3月11日に決めました。もちろん誰の心にも深く記憶が刻まれる、東日本大震災の日です。

一昔前まで「死」のことを考えるなんて「縁起でもない」と避けられていました(ちなみに仏教語である「縁起」の誤用ですが)。しかし最近では終活という言葉が一般化しましたし、テレビや新聞・雑誌でも「死」に関する特集をすると視聴率や売り上げが伸びると言われています。

その変化の根底に、私は東日本大震災があったと考えています。つまり、科学も医学も発達して不慮の死などそうそう無いだろう、そう思っていた私たちに突きつけられた現実。それは800年前に親鸞聖人が「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかわ」と詠んだように、私たちは明日のいのちすら保証されていないことに、改めて気づかされたということになるのでしょう。

なのでその日に「死の体験旅行」を開催することにしました。
いつもは平日夜のせいか、急に欠席になる方もちらほらいらっしゃいます。しかし今回はほぼ全員出席という珍しい状況になったのも、もしかしたら3月11日だったからかもしれません。
また、もとは2月上旬の放送予定だったNHKひるまえほっとが、大幅にズレて今日の放送になったこともご縁を感じることです。

参加の皆さんとともに、自分のいのちや大切なものに向きあう2時間を過ごすことができました。
有り難うございました。

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WS開始前、逢う魔が時の金剛院 蓮華堂。

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NHKひるまえほっと [死の体験旅行]

明日2019年3月11日(月)の11時30分前後に、NHKひるまえほっと(関東甲信越)で「死の体験旅行」のことが少し取り上げられる予定です。

実は当初は1月末〜2月頭の放送予定だったのですが、今年は国会中継が非常に多く延び延びになっていました。
なので今回も「また延びるんじゃ…」と疑心暗鬼ですが、担当者さんが「今回は確定です!」と仰るので信じて待ちます。

奇しくも東日本大震災の日に、生死について考える内容ということになるので、これもご縁だったのかもしれません。
スクリーンショット 2019-03-10 03-10 8.20.53.png
http://www4.nhk.or.jp/P2542/

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2019年3月の法語 [月々の法語]

今年は去年に引き続き、親鸞聖人のお言葉を弟子の唯円(とされています)が聞き書きをした『歎異抄(たんにしょう)』を題材としてお話しさせて頂いています。
スクリーンショット 2019-03-04 03-04 15.11.31.png
第十条は歎異抄の中で最も短い条となっていますので、まずは前文をご覧ください。

念仏には無義をもって義とす。
不可称 不可説 不可思議のゆえにと仰せ候ひき。

これだけです。
しかし短いですが非常に深みのある内容で、またこれを説明することは大きな矛盾を孕んでいます。
なぜなら、「お念仏は言葉で説き尽くすことができない(不可説)」と書かれている、その内容を説明しなければならないからです。
でも人は、言葉以外ではなかなか思いを伝えられませんので、なんとかお話しをしてまいりたいと思います。

「義」には「意味・理由」という意味合いがあります(ややこしい言い回しですが)。ですので1行目は「意味や理由が無である、というわけです」となります。

ただここでの「無」は「無い、ナッシング」ということではなく、続く2行目にも書いてありますが、「人知の及ぶところではなく、はかりしれない」ということを表しています。

実はこれは浄土真宗だけではなく、仏教の他宗派や他宗教についても、その深奥は人知の及ばない、なかなか掴みきれないものだと思います。

たとえて言うと鰻のようなもので、鰻はヌルヌルとぬめって動き回るのでじっと掴み続けていることができません。一瞬掴んで人に渡そうとしても、ツルツルと落としてしまいます。
宗教が表す深奥もやはりじっと掴み続けていられないもので、仮に「よし、掴んだ」と思って人に説明しようとしても、なかなかうまくいきません。

また『夜と霧』の著者V.フランクルは「人生の意味を問うのは、たとえばチェスのチャンピオンに『最も良いチェスの手はどういうものか』と訪ねるようなもので、実際にはその時々に応じて違う展開になるので、最も良い手など無い」と答えるでしょう。人の生きる意味も同じで、実は人生が私たちに問いを投げ掛けているのです」と仰いました。

仏教は、古くは「仏道」と言いました。
道である以上、生涯をかけて歩み続けるものです。
なので事前に決まった「義」など無い「私の人生」を、真摯に歩んでいかなければならないのでしょう。

そしてその人生の羅針盤となり杖となる仏道を、私たちは聴き続けていくことが大切なのではないかと思います。

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サンデー毎日 完璧な終活 [死の体験旅行]

2019年3月5日発売の雑誌「サンデー毎日」(3月17日号)の特集、「完璧な終活」で「死の体験旅行」を取り上げていただきました。
Travis Japan・ビューン.png
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/backnumber/2019/03/17/

いきなり特集の主旨に反することを言って申しわけないのですが、「完璧な終活」というものは存在しないのではないかと思います。

理由は2つ。
ひとつは、終末期を含む人生はその人それぞれ固有のものであり、また時と場合によって良い悪いが変化し続けるものなので、固定的な「完璧な終活」というものは存在し得ないのではないか、ということ。

もうひとつは、亡くなる本人が最後の最後まで目にすることができないこと、つまり完璧かどうか目にすることができないということが理由です。


……と揚げ足取りはここまでにしておいて (^_^;) 
第3弾と銘打たれた今号の特集で取り上げられているのは4人。
まず私の「死の体験旅行」、次に在宅ホスピスに携わる医師、次に看取りに携わる看護師、最後にメメント・モリ協会を立ち上げた医師と、私以外みなさん医療者です。

そして嬉しかったのが、4人目の医師 占部まりさんは以前に「死の体験旅行」をお受けくださり、交流させていただいている方だったことです。意外なところで再会することになりました。

銀行や美容院などで目にしたら、161ページを開いてみてください (^人^)
もちろんご購入くださってもOKです!

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神奈川大学の先生に… [死の体験旅行]

私、神奈川大学の先生になります!

……というのは半分ホント、半分ウソ (^_^;) 

なごみ庵は神奈川大学の近くにあり、お寺の前は学生さんたちの通学路になっています。
また、みなとみらいには「KUポートスクエア」という施設があり、通常の授業以外の様々な講座が開催され、学生さんや社会人の方が受講しています。

その2019年度の講座の中に、「死の体験旅行」でお招きいただきました。
まずは前期に2回、5月と9月の開催です。

5月23日(木)18時30分
http://www.ku-portsquare.jp/site/course/detail/2644/

9月26日(木)18時30分
http://www.ku-portsquare.jp/site/course/detail/2645/

a000657741_01.jpg
イラストは、現在みなとみらいに建設中の神奈川大学の新キャンパスのイメージ図。
継続して開催になれば、真新しい建物での開催もあるかもしれません (^_^)

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