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ホスピスで「死の体験旅行」 [死の体験旅行]

埼玉の浦和美園にある在宅ホスピス施設、「はなみずきの家」さんから依頼を受け、スタッフ向けにワークショップ「死の体験旅行」を開催させていただきました。

「ホスピス」は終末医療病棟と訳され、主にガンなどの末期患者が最期の時間を穏やかに過ごし看取られていく場を指します。そこに「在宅」がつくと、自宅で訪問看護などを受けながらホスピスケアを受けるということになります。

そこに、さらに「施設」がつくと、どういう意味になるのでしょうか?
私も最初お話しをいただいた時、「在宅なのに施設?」と思ったのですが、「はなみずきの家」は全国でもおそらくここだけという「終末期専用賃貸住宅」という施設になります。

ガンの末期患者が「入院」するのではなく「入居」し、我が家のような雰囲気の中でケアを受けることができるのだそうです。

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ということで、電車に揺られて浦和美園駅。
近くに埼玉スタジアムがあるので、駅もご覧の様子!

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そこから歩いて10分ほど、閑静な住宅街の中にある「はなみずきの家」。
外観は、規模こそ大きいものの一般の住宅とあまり変わらない雰囲気で、入居者に「我が家」と感じていただくための工夫なのだと思います。

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居室は28室あり、全体的に和モダンな雰囲気。
まるで旅館に来たみたいです。

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食堂もオシャレな和風レストランに来たような雰囲気です。
この施設は食事も凝っていて、いかにも病院食というものではなく、シェフが毎日腕を振るい、また入居者の状況に合わせて食べやすいよう調理しているそうです。

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午前と午後の2回開催だったので、我がままを言って入居者と同じ昼食をご用意いただきました。夏らしくおそうめんですが、彩りよくニンジンが浮かべてあったり、小鉢がいろいろとついています。
ただ…私には量は足りませんでした(笑)


さて、肝心の「死の体験旅行」です。

受講者は施設の看護師・介護士・薬剤師・相談員など約30名。
運営上、全員一度に受講することができないので、半分ずつに分けて午前午後に受けていただきました。

この施設では、入居者の平均滞在期間が約2〜3ヶ月とのことで、以前に他の病院のホスピス病棟で聞いた入院期間よりも、ずいぶん長い印象です。
おそらくギリギリの状態になって入院する場合が多いホスピス病棟に対し、この施設は回復不可能と診断された方が自発的に入居を決めるケースが多いのではないか、だから早めに入居するケースが多いのではないか、と思いました。

入居者にとっては、それだけの期間があれば最期の時間をより穏やかに過ごすことができるでしょう。
しかしスタッフにとっては、期間が少し長めなだけに入居者との交流が生まれ、看取りの際のグリーフ(喪失悲嘆)が生じることに繋がるのだそうです。

そのために、今回の研修となりました。
普段の一般向けの開催と違い、導入では医療と仏教の融合についてお話しをさせていただき、また最後にはグリーフに対して宗教の持つ力を、自分の経験を交えて紹介させていただきました。

生死(しょうじ:仏教読み)の現場で働く皆さんの前で大したことも言えないのですが、少しでもお役に立てたのであれば嬉しく思います。

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