SSブログ

2020年4月号 [和庵だより]

◇ 情報の波 ◇

新型コロナウイルスの騒動が続き、なごみ庵の行事も中止などの対応をしている中、3月の真宗教団連合のカレンダーの言葉にハッとさせられました。
「本当のものがわからないと、本当でないものを本当にする」
明治生まれで昭和期に活躍した真宗大谷派の僧侶、安田理深さんの言葉です。

現在、世間では様々なデマや憶測が流れ、トイレットペーパーやマスクが買い占められたり、こうした行動が良い・悪いなどと、多種雑多な情報が飛び交っています。
スクリーンショット 2020-03-15 03-15 13.59.24.jpg
一説には、現代の私たちが得る情報量は江戸時代の庶民の1年分とか一生分などと言います。正確な比較は困難でしょうが、人の移動が少なく情報メディアも無い時代と今とを比べれば、私たちが得る情報量に雲泥の差があるのは確かでしょう。

しかし私たち人間の情報処理能力は、テクノロジーの発達ほどには上がっていません。ですので、どれが真実でどれがデマなのか、どれが有益でどれが無益な情報なのか、押し寄せる情報の波に翻弄されてしまいます。

そんな矢先にカレンダーの言葉が目に飛び込み、「ああ、その通りだ」と感じました。ひとつの情報の正否を判断する間もないまま、次々と新しい情報が飛び込んできます。その中には私たちを不安にさせるものも少なくありません。接する情報を制限するのも大切だと感じます。

コロナウイルスの状況は一朝一夕では収まらず、まだしばらく続きそうな気配です。不安を煽るような情報に突き動かされそうになった時には、一瞬間を置いて深呼吸をし、今月の言葉を思い出してください。私たち一人ひとりが少しずつ落ち着きを取り戻し、一日でも早くこの事態が収束するよう、心から願わずにはいられません。


◎ お 知 ら せ ◎

◎3月の行事について
・3月20日(金祝)10時半/15時の写経会
・3月22日(日)13時の春彼岸法要
・3月27日(金)10時半の笑いヨガ

※下記の対策をした上で開催いたします。
・行事の前後に施設内の消毒や換気を行い、行事中は加湿器を使用します。
・手指アルコール消毒の準備をしていますので、来庵時にご使用をお願いします。
・来庵時の移動や行事中は、マスクの着用をお願いします。
・行事後の茶話会は中止といたします。
・体調不良や持病のある方は、参加をお控えください。
・公共交通機関の使用に不安のある方は、ご無理なさらないようお願いします。

◎金子みすゞ ひとり舞台 4月5日(日) ※中止になりました

◎3月14日、京浜急行の仲木戸駅が「京急東神奈川駅」に駅名変更いたしました

◦なごみ庵 オリジナルお経本&お経CD 各500円 郵送の場合は別途送料200円です
◦神之木地区センター写経会 4月7日(火)・21日(火) 18時30分
◦死の体験旅行 豊島区 金剛院:4月15日(水)・5月11日(月) 19時
        神奈川大学 生涯学習:4月23日(木) 18時30分
◦自死遺族の集い 3月中止・4月23日(木) 10時30分 築地本願寺

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

無参拝者法要!? [その他色々]

新型コロナウイルスの影響で、大相撲やプロ野球は無観客試合で感染拡大を防ぐとのこと。

お寺の法要も年配の方が多く集まるだけに、規模の縮小や会食の中止、法事そのものの延期などそれぞれに対応しています。

通夜葬儀だけは延期というわけにいきませんが、ここ数年は家族や親族のみでお見送りをする形式が増えており、今回のウイルスに対しては拡散防止にひと役かっている形になっています。


そんな中、なごみ庵で珍しい形式の法要がありました。

そもそもは私が掲載された新聞をご覧になってご縁が生まれた、福島県在住の女性Yさん。
昨年末、先々ご自身の後は守る人がいなくなる、生家の家族や先祖の供養について相談を受けたのです。

お骨そのものは別の場所に埋葬済みなので、お寺の過去帳にお名前を書き入れて永代供養をしていきましょう、ということになりました。
(ちなみに浄土真宗では「供養」ではなく「恭敬(くぎょう)」という言葉を用いることが多いですが、元の意味は同じなので「供養」と表現しています)
IMG_1207.JPG

さて、Yさんの念願であった法要ですが、3月の頭に決まりました。
しかし直前になってコロナウイルス騒動です。
長距離の移動は感染リスクが高まりますし、しかし色々思いがあって決めた日程なので延期したくはない。

Yさんからおそるおそるという感じで、「お位牌などを宅急便で送るのでお参りをしていただけないだろうか」と連絡がありました。
今までの相談で事情は充分わかっていますし、遠方から無理をして来て何かあってもいけません。

そんな事情があって記事タイトルの「無参拝者法要!?」となりました。
IMG_1206.jpg

実際にはご自宅で、法要の時間に手を合わせていただきましたので、正確には「無参拝」ではなく「遠方参拝」だったのかもしれません。

いずれにしても当庵にとって、他所へ埋葬されている方の永代供養も初めて、直接の参拝無しでの法要も初めてという、珍しい形になりました。


同じように後を守る人がいない仏さまをどうしようか悩んでいる方、また遠方だったり体調の面で法事が難しい方もいらっしゃるかと思います。

相談していただければ色々と対応もできますので、お困りごとがある方はどうぞご連絡ください。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。