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静かに和する [その他色々]

私はもともと真宗高田派の僧侶としてお育てをいただきましたが、諸事情あって なごみ庵の宗教法人化のタイミングと前後して高田派を離れることになりました。

慈陽院なごみ庵は浄土真宗の単立寺院ということになりますが、そんなお寺にある方から大切な書が贈られました。
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右から左に「静和」と読みます。
浄土真宗の聖典類にこの言葉を見つけることができていませんが、「静かに和する」と読むのでしょうか。
なごみ庵を「和庵」と書く場合もありますので、「和」の文字が入ったこの書をお贈りいただいたようです。

そして左に縦書きで「鸞猷 書」と書かれています。
真宗高田派の第24世、鸞猷前法主の書かれたものです。

宗派によって最高位の僧侶の呼び方は異なりますが、高田派では「法主(ほっしゅ)」とお呼びし、また先代の法主を「前法主」とお呼びします。
宗派を離れた私に、なぜこの書をお贈りいただけたのでしょうか…

「色々なことがあって制度上は宗派を離れることになったが、私たちはあなたを同朋と思っている」
「お寺は単立になったけれど、高田派の心を忘れないでいてほしい」
そんな気持ちが込められているのではないか、と感じ胸が熱くなりました。

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人生いろいろ、法事もいろいろ [その他色々]

ここのところ、印象に残る法事が続きました。
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最近は様々なご縁で法事などの依頼があります。「死の体験旅行」を受けた方だったり、なごみ庵の前を通って寺報を手に取ってくれた方だったり。
都市部では菩提寺の無い方も多いので、何か心の琴線に触れて選ばれるお寺である、というのも大切な要素だと感じます。


お母さまの一周忌をされた方。
菩提寺がなかったので、葬儀の時はとにかく葬儀社にお任せして、やって来た僧侶はとにかく事務的でわびしい気持ちになったそうです。流れで四十九日もお願いすると若いお坊さんが来て、細かい説明も寄り添う姿勢もなく、もうそのお寺に頼むのは絶対嫌だ、と感じたのだそうです。

そこで私のことを思い出し、相談をしてくれました。
ご相談や質問に答え、ではお願いしますと仰っていただき、ご自宅でのご法事。
会食もご一緒させていただきました。

人の気持ちを完全に理解することも、寄り添いきることも、できないことです。それでもできる限り理解しよう、寄り添う姿勢を持とう、説明すべきことは説明しよう、というのは私のモットーですし、当たり前のことだと思っています。

そうではない僧侶がいることもわかっています。しかしそれは、長い目で見れば自分の首を絞めることに繋がるし、せっかくお坊さんに法要を頼もうと思ってくれた方への裏切りだと私は思います。


お父さまの十七回忌をされた方。
お手伝いをしているお寺での十七回忌。参列者は故人の息子さんお1人でした。
いつもは読経後に法話をするのですが、1対1ですので法話ではなく、私も腰かけて対話形式の時間にしました。

現在、お母さまを自宅で介護しているので、他の家族は来られないで自分1人でお参りに来たこと。
十七回忌のお父さまも自宅で介護して看取ったこと。
大変なご苦労をされたであろうに、「最後は父の顔が仏さまのようだったんですよ」と仰るその方のお顔こそが仏さまのようでした。

会話を重ねていると、「読経の中でお焼香をして合掌すると、『助けて欲しい』という気持ちが湧いてきました。弱気になることができたんです」と仰いました。

「弱気になった」ではなく「弱気になることができた」という言葉に、その方がどれだけ頑張り続けてきたのか、そして手を合わせた時に少し心がほどけたのだな、と感じました。


法事は読経が中心です。
ただ、読経だけで終わってしまうのは、あまりに勿体ないことだと思います。
気持ちに耳を傾け、疑問に答え、そうしてこそ仏教を伝える機会が訪れるのでしょう。

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本願寺金沢別院での法話 [その他色々]

石川県金沢市にある浄土真宗本願寺派(お西)の金沢別院で、春から秋口にかけて開催されている「日曜法話の集い」にお招きいただきました。

未来の住職塾でご縁のあるOさんにお声掛けいただき、私のクセで後先考えずにOKの返事をしたのですが、昨年と一昨年の資料を後日送っていただくと……ヤバい (-_-;) 

私でも名前を知っているような高名な方々の名前が連なっており、半年以上前から緊張状態でした。


それでも受けてしまったものは仕方ありません。横浜から東京、そして北陸新幹線で金沢に。
金沢駅から徒歩10分ほど、金沢別院に到着してしまいました…
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少し早く着いたので境内を散策していると、真宗寺院には珍しいと思うのですが経蔵(多くのお経などが納められた建物)があり、これも真宗寺院には珍しく中には四天王の像などが配されている様子です。
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境内の散策を終え大きな本堂に。
私のふざけているような講題がデカデカとかかっています。
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こんなお題にも関わらず、120〜130名ほどの方が聴きに来てくださいました。
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何とか40分×2席の法話を終え、宿に移動してホッとひと息。
日帰りできないことはないのですが、坊守が金沢に行ったことがないというので同行して一泊します。

夜は金沢料理をいただき、翌日はベタですが兼六園に。
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時雨亭という建物で、しとしとと降る雨と美しい庭園を眺めながらお抹茶と和菓子。良い雰囲気……と思ったら雨足が強まり大雨になってしまいました (>_<)

その後は以前にも訪れた佛子園を訪問し、法話&観光&見学と中身の詰まった旅になりました。

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高座バトルwith春風亭昇々さん [その他色々]

2年半ほど前に中目黒の正覚寺で開催された高座バトルに登壇させていただきましたが、今回は恵比寿の寺子屋ブッダラボ・書坊での開催で、私としては2度目の挑戦です。
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ちなみに1回目の様子はコチラ
https://753an.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20
https://753an.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27

今回のお相手は若手イケメン落語家の春風亭昇々さん。
なごみ庵の行事でも女性陣からどよめきが上がったという好男子ぶりです。
そして高座バトルでは毎回テーマが選ばれるのですが、今回は「欲」となりました。

まずは昇々さんがテーマに沿った落語「湯屋番」で幕が開きます。
続いて私の法話は、まず欲と煩悩の関連性について触れ、また煩悩が非常に細かく分類されること、本来の仏教は煩悩を滅して悟りを得る道だと話を進めました。

また、浄土真宗の親鸞聖人は煩悩を滅することができないとお考えになったこと、煩悩は絶対悪ではなく科学医学の発達や人類の繁栄も煩悩があってこそという話、そこから親子の情愛などといった話をさせていただきました。

私の法話が終わると昇々さんとのクロストーク。
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私は自分の出番が終わりましたからね、ホッとしてトークを楽しみました。
けれど昇々さんはこの後、テーマとは関連しない落語をもう1つ、「天災」をご披露しました。

終了後ツーショット。
私は見えてませんでしたが、昇々さんこんなポーズしてたのか(笑)
なんだか顔の似てない弟のようです♡
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次回の高座バトルは2019年7月20日(土)16時から、出演者は落語家さんが桂宮治さん、僧侶が日蓮宗 久住謙昭さんです。ぜひぜひ足をお運びください (^人^)
https://www.machitera.net/events/temple_event_detail/?temple_event_detail_id=982

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高座バトル★ルーキーズ [その他色々]

3年前に中目黒の正覚寺さまを舞台に開催された、同じテーマで落語家さんと僧侶が話をする「高座バトル」。
今回は中目黒の「寺子屋ブッダラボ・書坊」さんで開催されます!
テーマは「欲」

前回記事その1 ・ 前回記事その2

申込ページ「まちのお寺の学校」

今回のお相手は春風亭昇々さん。
お名前の通り爽やかなイケメンさんです。
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顔では勝負にならず、話も相手は噺家さんですからプロです。
せめて皆さんの声援を受けて頑張らせていただきたいと思います (^人^)

別途申込ページ peatix


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三重 妙華寺さまで講演会 [その他色々]

三重県津市の真宗高田派 妙華寺さまで毎年開催される「お寺の講演会」にお招きいただきました。
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妙華寺の中川住職とは未来の住職塾でご縁があり、なにかとお気遣いいただいています。
4年前にもお寺で「死の体験旅行」を開催させていただきました。

講演のテーマは最近よくお話させていただく『「適当」に生きるススメ』といたしました。
それにしても「適当」とか「いい加減」って、元々は良い意味だったはずなのに、いつの間に悪い意味に転じてしまったのでしょうね (^_^;) 

1時間の講演後は、30分ほどの衆徒さんとの対談。
「衆徒(しゅと)」とは、そのお寺の住職や副住職以外の僧侶を指しますが、妙華寺さんの衆徒は住職のお嬢さんで以前から面識があります。
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また「京都自死・自殺相談センターSotto」で活動されているので、「自死・自殺に向き合う僧侶の会」で活動している私とも共通の話題があり、リラックスして対談ができました。

講演と対談後は、住職もお入りいただいて記念撮影。
今回はお招きをいただきまして、どうも有り難うございました!
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対談 下河原忠通さん×占部まりさん [その他色々]

東京 恵比寿の英治出版Baseで行われた、医師の占部まりさんがシルバーウッド社長の下河原忠通さんをゲストに迎えるトークイベントに行ってきました。

占部さんは日本メメント・モリ協会を立ち上げており、以前に「死の体験旅行」を受講していただいたご縁です。

下河原さんは「銀木犀(ぎんもくせい)」というサービス付き高齢者住宅を運営する会社の社長で、その個性的な取り組みによりカンブリア宮殿で取り上げられたこともあります。
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私の母も高齢になり様々な問題が生じていますし、また日本の高齢者医療や看取りに関して非常に興味があるので参加をしました。


下河原さんは元々は福祉系ではなく建築業界の方ですが、様々な形式の建物を手がける中で「サービス付き高齢者住宅」に携わり、現在は首都圏に10ヶ所以上の施設を運営されています。

銀木犀は、高齢者がその人らしく生活することを大切にしています。
そのために、とにかく本人の意思を尊重する・余計な医療はしない・自分で出来ることは自分でしてもらう、ということを徹底しています。

施設内に駄菓子屋さんを作って、近所の子どものたまり場になっている場所もあるとのこと。全く別の業界から入ったため、常識にとらわれない発想ができたようです。


中でもハッとさせられたのは、「入居の際、どこで死にたいですか? と聞くんです。そして入居後も1年に1度は尋ねます」という言葉です。

生にあまりに価値を置きすぎ、死を口にすることはタブー視されがちです。しかも高齢者にそれを直接聞くのは誰しも躊躇するでしょうが、それを臆さずに尋ねます。

そして死期が近づいた時、集まったご家族に「皆さんはどうしたいですか?」とは尋ねず、「ご本人はこのように死にたいと仰っていました」と話すのだそうです。

「皆さんはどうしたいですか?」と尋ねれば、家族はやはり「できるだけのことをしてください」と言わざるを得ません。しかし「本人の意思はこうです」と言ってもらえれば、それを尊重したいという気持ちになるでしょう。


死期を迎えた人に対し過剰なまでの医療を施してしまう原因の1つは、家族にしても医療者にしても死の決断をしたくない、という心理があるのだと思います。

しかし下河原さんは死を忌み嫌わず、真正面から、しかしサラリと明るくさえある向きあい方をしています。だからこそ入居者の本音を聞き出すことができ、いざという時に本人の意思を代弁することができるのでしょう。

個性的な取り組みに注目が集まっていますが、私はこの「死の決断を支える」ことが下河原さんの取り組みの骨子になっているのではないか、そう感じました。

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知らぬが仏な講演会 [その他色々]

珍しい場での講演の依頼をお受けしました。

神奈川県社会保険労務士会
厚木支部 賀詞交換会


社会保険労務士ってなんだ…?
賀詞交換会ってなんだ…?
と、よく把握できていないものの、頂いたお話しは可能な限りお受けするのがモットーですので、「はい、参ります!」と安請け合いをしてから下調べスタート(笑)

まあきっと、同じ資格を持つ方々の新年会があって、その前にお話しをさせて頂くのだろうな、と考えておりました。


当日会場のホテルにつくと、想像よりかなり立派で、講演会場はスクール形式で机が並んでおり、宴席とはまた別の部屋になっているようです。
プロジェクターも用意して頂き、90分間の持ち時間で仏教とお正月の話や、もっと「遊び」を持つ生きかたが大切なのではないか、という話をさせて頂きました。
けれど中途半端に法話っぽくしてしまったのが、自分としては反省点。
いわゆるビジネスパーソンが多かったので、「未来の住職塾」の話などの方が良かったのかもしれません。


なんとか話を終えて、宴席に移動します。
ライトな立食パーティーみたいな感じかな…と思っていたら、結婚式場にも使われている部屋に円卓が並び、ほぼ披露宴状態。しかも着席して席次表を見ると、来賓の方々の肩書きに国会議員や近隣の市長さんの名前が並んでいます。

えっ! そんな堅い会だったの!?
今さらながらに気づいて冷や汗をかきましたが、救いだったのは講演が終わってから会の重さに気付いたこと。
来賓の方々は基本的に講演を聞かないとはいえ、事前に知っていたら尻込みしていました。
「知らぬが仏」とは正にこのことですね (^_^;) 

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ゴスペル&声明 [その他色々]

オシャレな街という印象が強い代官山。
しかしそこは戦前から各国の大使館や外国人学校、キリスト教会が多く、そのため空襲の標的にならない場所でもあったそうです。

大使館と教会。
言い換えれば、国家と宗教。
これはどちらも戦争の元になります。

そんな施設の多い代官山で、2016年から「代官山ノエル」という、人種や宗教を超えて平和を祈るイベントが開催されています。
「人種や宗教を超えて」と言っても、主催はキリスト教・プロテスタントの本多記念教会さん。
日程も12月23日で、そもそも「ノエル」がフランス語で「クリスマス」を指す言葉ですから、どうしてもクリスマスっぽい雰囲気にはなります。

でもそこに、寺社フェス向源の僧侶たちが昨年から協力をしています。
私も今回、ご協力をさせて頂きました。

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まずは向源の名物でもある「お坊さんと話そう」
今回はクリスマス時期でお忙しい牧師さんも加わり、「牧師さん&お坊さんと話そう」に!
↑の写真に牧師さんが1人いますが、誰だか分かり……ますよね (^_^;) 

「話そう」ですが、この時期に代官山にいる方は幸せいっぱいかな、と思っていたのですが、仕事関係で悩みを抱えている方の想いを聴かせて頂きました。


もうひとつ出番があり、本多記念教会さんと、閉会セレモニーで声明(しょうみょう:歌のようなお経)の公演をさせて頂きました。

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キャンドルイベントでもある代官山ノエル。
無数のロウソクが揺らめく幻想的な雰囲気の中…

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合わぬ(笑)

閉会式セレモニーは夜、屋外だったので写真はありませんが、声明に始まり、地元高校のブラスバンド部の演奏、そしてゴスペル、聖歌。
寒い中でしたが、だんだん楽しくなってきて、一緒になって「オーハッピーデーイ!」と歌いながらリズムを取ってしまいました(笑)

映画『天使にラブソングを』が好きだったんですが、お寺でもこういうことができたら、また違った層の方が関心を持ってくださるのでしょうね。

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おてらおやつクラブ グッドデザイン大賞! [その他色々]

当日(2018.10.31)にFacebookで速報を流しましたが、改めて「貧困問題解決に向けてのお寺の活動 おてらおやつクラブ」がグッドデザイン賞、しかも大賞を受賞したことについて、詳しく記します。
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アルファベットの「G」がナナメになったグッドデザインのロゴ、日本で目にしたことが無い人はいないと思います。その名称どおり、「良いデザイン、素晴らしいデザイン」の製品に贈られる賞と思っていましたが、最近では製品の背景にある思想が評価されたり、活動や取り組みといったものも賞の対象になるのだそうです。

2018年の審査対象数は4789件の製品や活動。
その中から1353件がグッドデザイン受賞。
さらにベスト100が選ばれ。
大賞候補が6件に絞られ。
差のつかなかった2候補による決選投票。
そして大賞に輝いたのが「おてらおやつクラブ」だったのです!!

決選投票の残ったもうひとつの候補は、台湾の企業が展開する電気スクーター。
街中に数多く存在するステーションで容易に充電やバッテリー交換ができ、排気ガスも発生しないなど、製品プラス社会性といった部分が評価をされたようです。


さて!
「おてらおやつクラブ」ですがこれは奈良の浄土宗 安養寺(あんようじ)の住職 松島靖朗さんが始めた取り組み。
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きっかけ2013年に大阪で起こった母子餓死事件。生活に困窮していた母子家庭で親子とも餓死をしてしまい、部屋からは「最後にお腹いっぱい食べさせてあげたかった…ごめんね」という母親のメモが見つかりました。
日本の子どもの貧困率は高く、目には見えにくいですが7人に1人が貧困状態です。

いっぽう、全国に7万5千あるというお寺には(個体差はありますが)、お菓子や果物、お米などのお供え物が集まります。
それが全てお寺の家族や行事などで使いきれているかというと、お寺の家族も核家族化していたり、お盆やお彼岸などの時期に集中的に集まったりと、消費しきれていないという現実があります。

そこで松島さんは、お供えを生活困窮家庭(母子家庭の割合が非常に多いそうです)におすそわけする取り組みを思いつきました。

また、ただ食品を渡しておしまいではなく、手渡ししたり宅急便で送ったりしながら、気にかけている人がいるよ、見守っている人がいるよ、という安心感を与えること。本当に困った時に頼ってもらうキッカケをつくること。つまり孤立をさせないということが真の目的です。

戦後の日本のように、貧しいけれど親戚や近所との繋がりがあれば、それは単に「貧乏(貧しく、乏しい)」なだけですが、そこに孤立が加わると「貧困(貧しく、困っている)」となります。

お寺だけで、全ての貧困問題を解決できるわけでは到底ありません。
しかしお寺による見守りがあって、少なくとも「貧困」状態の改善を図ることができます。


この取り組みの良い点は、数多くのお寺が無理のない範囲で活動に参加できることです。
2018年10月現在、全国975の寺院が参加していますが、たくさんの食品を集め月に何回も発送するお寺もあれば、年に1度の行事の時だけ発送するというお寺もあります。

実は、なごみ庵も早い段階から参加しています。
最初は手を上げてはみたものの、関西から始まったこの取り組み、当時は神奈川県に支援対象者が無く、「遠方の支援先に送ってもらうか、自分で支援先を探してみてください」という状況でした。

まず区役所に行き、そこから横浜市神奈川区の社会福祉協議会を紹介していただきました。
そこではちょうどタイミング良く、小学校の教員OBによる学習支援活動が始まっており、そこに集まる子どもたちにお菓子を提供することになりました。
また後に同じ神奈川区で、外国に縁のある子どもの学習支援をしているグループにもお菓子を提供することになりました。

両者とも学習支援の団体ですから、貧困家庭に直結しているわけではありません。
しかしここに集まる子どもは家庭に何らかの問題がある場合もあり、その中にはもちろん貧困も含まれます。
また学習が遅れている子どもたちが将来的に貧困状態になる可能性もあるので、広い目で見て「おてらおやつクラブ」の名のもとに支援をさせていただくことになりました。

ということで、なごみ庵にお参りの際はぜひ、保存期間が長くて小分けできるお菓子をお選びください!
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