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2018年8月号 [和庵だより]

◇ 坊さんぽ 大阪編 ◇

 散歩をしに行ったわけではありませんが、7月上旬に大阪で講師に招かれ、以前からお参りに伺いたかったお寺を巡って参りました。


 まずはお招き頂いた本願寺派の別院、北御堂大谷派の別院である南御堂と同じ大通りに面し、御堂筋の名前の由来になりました。『雨の御堂筋』という人気曲もあり、そのイメージで勝手にネオン街を想像していましたが、東京で言えば丸の内や大手町のような大通りでした。また本願寺派の北御堂も大谷派の南御堂も、巨大といっていいほどの立派な寺院でした。

 浄土宗の一心寺。こちらは参詣者が納めたお骨を材料に、10年ごとに「骨仏」と呼ばれる仏像を作り安置しているお寺です。だいたい等身大ほどの阿弥陀如来座像ですが、あまりにも参詣者が多いので、実際に仏像に使われるお骨はほんの一部だろう、と地元の方は仰っていました。

 和宗の四天王寺。こちらは聖徳太子建立と伝わる日本最古の寺院のひとつ。今は「供養の総合デパート」といった雰囲気ですが、聖徳太子の時代には民衆救済の寺として知られていて、境内には療病院(病院施設)・施薬院(薬局)・悲田院(傷病人・障害者・高齢者の入居施設)が立ち並んでいたそうです。

 臨済宗系の往生院六萬寺。こちらは有名観光寺院ではなく、「お坊さんQ&A ハスノハ」で共に回答僧をつとめる川口英俊さんのお寺。
 境内奥に広がる山に、古来の修験者が修行していた滝が見つかり、つい先日滝行を復活させたというので、お誘いを受け人生初の滝行を体験させて頂きました。夏場なので涼しくていいな、と思いきや、やはり山の水は冷たく、ほんの数分滝に打たれるのが精一杯でした。


◎ お 知 ら せ & ◇ ご 報 告

◎盂蘭盆会法要 なごみ庵にて 8月12日(日)10時30分より
なごみ庵では7月・8月のいずれもお盆法要をお勤めいたします。
出席のご予定の方は、準備の都合上、なるべくご連絡をお願いいたします。
また、個別にお盆法要や初盆法要のお勤めをご希望の方は、お寺までご連絡ください。
お盆は法要のご依頼が重なりますので、お早めのご相談をお願いいたします。

◎秋のお彼岸法要 なごみ庵にて 9月23日(日祝)10時30分より
別紙の通り、絵本『地獄』の朗読と、それにちなんだ法話をいたします。
お彼岸用の法名用紙は、次号に同封いたします。

◎動物追悼法要 なごみ庵にて 10月21日(日)13時より
以前から考えていたペットの追悼法要を、今年からお勤めいたします。
詳細は追ってお知らせいたします。

◇西日本豪雨災害への義捐金
連日報道されています通り、西日本で大雨による甚大な被害が発生しています。
「自死・自殺に向き合う僧侶の会」の姉妹グループが本願寺広島別院を拠点に活動していますが、現在はボランティアセンターにもなっています。高圧洗浄器などの機器が不足しているとのことなので、なごみ庵に集まった浄財から義捐金を送らせて頂きました。

◦神之木地区センター写経会  8月7日(火)18時30分
◦神之木地区センター笑いヨガ 8月13日(月)10時30分(12月まで毎月第2月曜)
◦死の体験旅行  8月15日(水)19時 豊島区 金剛院
◦自死遺族の集い 8月23日(木)10時30分 築地本願寺

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2018年7月号 [和庵だより]

◇ ウチのタロが ◇

 1月号でお知らせした高齢の柴犬のタロですが、犬は人間の7倍の速度で老化するという言葉の通り、どんどんと弱っていきました。昨日できていたことが今日できない…人間も同じなのでしょうが、進行が速いぶん変化がはっきりと見えます。

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(写真は亡くなる数日前のタロ)

 そして食べ物も受け付けなくなり、水すらあまり飲み下せなくなり、6月18日の朝、ちょうど坊守が見守っているなか、息を引き取りました。食べられなくなった時点でもう長くないことは頭で分かっていましたが、やはり本当に亡くなってしまうと痛切な思いが胸に迫り、涙が溢れ出てきます。

 亡くなってすぐに枕経、翌日葬儀。私と坊守の僧侶2名でしたので、「タロ、贅沢だぞ」と思いながら読経し、横浜市内の寺院が運営している火葬場で荼毘に付しました。

 もの言わぬ動物ではありますが、悲しみは深いものがあります。いえ、もの言えぬ動物だからこそ、人間のように利害関係が無いからこそ、純粋に悲しめるのかもしれません。最期の日々はどんどんと痩せていき、心細くなったのか甘えるようになり、幼犬時代に戻ったかのような姿に愛情は深まるばかりでした。

 1月号で「ペットは成仏できるのか」という論争があると書きました。答えの出ない問いではありますが、大切なことを教えてくれ、生老病死の悲しみを教えてくれる全ての存在は尊いものであると、私たちは受け止めています。タロもお念仏を称えることはできませんが、そもそもが仏さまや菩薩さまの化身として私たちのもとに来てくれたのではないかと感じます。

 であれば、いつか私たちがお浄土に往生したとき、懐かしい方々と共に出迎えてくれるのではないかと思っています。だんだんとお浄土に大切な方が増えていきますが、倶会一処、再び会える場所があるという信仰は、死への恐れを和らげてくれるのではないでしょうか。


△ お 知 ら せ △

◎雨の御堂筋
7月上旬、僧侶向け研修の講師として大阪に出張してまいります。会場は本願寺派の津村別院、とは言っても地元の方にはこの名称では通じず「北御堂」の愛称で親しまれています。大阪には東西本願寺の別院があり、それぞれ南御堂・北御堂と呼ばれ、そのお堂を繋ぐ道を御堂筋と呼びます。この通りに店を構えることが大阪商人の夢であったそうです。

◎盂蘭盆会法要 なごみ庵にて 7月15日(日)/8月12日(日)
いずれも10時半より
なごみ庵では7月・8月のいずれもお盆法要をお勤めいたします。どうぞお気軽にお参りください。
また、個別にお盆法要や初盆法要のお勤めをご希望の方は、お寺までご連絡ください。
お盆は法要のご依頼が重なりますので、お早めのご相談をお願いいたします。

◎劇団 五色の花『雰囲気のある死体』に住職(一瞬だけ)出演
なごみ庵坊守が舞台役者をしているのはご存知の方が多いと思いますが、このたび住職も舞台にほんの一瞬だけ出演することになりました。
役柄は「お坊さん」役です(笑)。

会場:四谷 絵本塾ホール(東京都新宿区若葉1-22-16)
6公演ありますが、友人僧侶と交互に出演するので、私の出演は3回です
(以下赤文字の回)
7月26日19時
27日14時・19時
28日14時・19時
29日14時・17時
奇特にも観覧ご希望の方は、なごみ庵までご連絡ください(チケット3500円)

◦神之木地区センター写経会  7月3日(火)18時30分
◦神之木地区センター笑いヨガ 7月9日(月)10時30分(12月まで毎月第2月曜)
◦死の体験旅行  7月18日(水)19時 豊島区 金剛院
◦自死遺族の集い 7月26日(木)10時30分 築地本願寺

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2018年6月号 [和庵だより]

◇ さるべき業縁のもよおせば ◇

日本大学と関西学院大学のアメフトの試合で起きた悪質な反則が、世間を賑わせています。
実は私も高校時代はアメフト部、しかも日大付属高校でしたので、渦中の日大フェニックスと同じグラウンドで練習していました。さらに、問題となっている選手と同じDLというポジションだったので、他人事とは思えない気持ちでニュースを目にしています。

この記事を書いている前日、反則をした側の選手が会見をしました。事態はこれからも推移していくものと思われますが、監督側・選手側、両方の視点で見てしまいます。

監督側の視点では、アマチュアながら名門チームということで、勝利にこだわる渇望が強くあったものと思われます。また荒っぽいスポーツですから、試合前に監督から「相手をつぶすつもりで行ってこい!」と鼓舞されることも珍しくないでしょう。少なくとも「相手の選手にケガさせないよう気をつけてソフトにタックルしてね♡」なんてことは言いません。

また選手側の視点では、非常に厳しい部である意味閉鎖した社会ですし、試合に出て勝利することに人生の全てを賭けていますから、精神的に追いつめられ極端な反則に到ったのだと思います。選手の切々とした会見を見ていて、思わず涙がこぼれました。

もちろん、どちらを擁護するというわけではありません。ただ、もし私が監督や選手の立場だったら、厳しい指示や反則せずにいられただろうか、と想像してしまいます。

親鸞聖人の「さるべき業縁のもよおせば、いかなる振る舞いもすべし」という言葉があります。「人間は、色々な縁や条件が揃ってしまえば、どんなに残酷で非道な行為でもしてしまう」という意味です。私ももしあの場にいたら、何をしでかしていたか分からないな、と思うのです。

でも同時に、尊く気高い行為をもできるのが人間なのだと思います。反則をした選手、された選手、チーム、コーチや監督、そして大学スポーツ全体が今回の事件を教訓にして、フェニックス(不死鳥)のように再生してくれることを願わずにはいられません。


△ お 知 ら せ △
◎新リーフレット 訂正
先月号に同封した新リーフレットですが、地図に間違いが見つかりました。
目印のひとつ「横浜逓信病院」は今年に入り「済生会東神奈川リハビリテーション病院」になりました。東神奈川駅・仲木戸駅から初めてご来庵の方はお気をつけください。

◎はじめての写経 桜木町 県民共済コミュニティフレアにて
6月6日(水)10時半より

ご希望の方は、なごみ庵までお問い合わせください。

◎いちごいちえの法話会 静岡県伊豆の国市 正蓮寺さまにて
6月11日(月)10時半より
親しくさせて頂いている伊豆の正蓮寺ご住職から法話のご依頼をいただきました。
毎月11日に行われている法話会、ちょっと遠方ですが、参加ご希望の方は なごみ庵までお問い合わせください。

◎盂蘭盆会法要 なごみ庵にて
7月15日(日)/8月12日(日)いずれも10時半より
爽やかな5月、梅雨の6月が過ぎると、お盆の季節を迎えます。
なごみ庵では7月・8月のいずれもお盆法要をお勤めいたします。どうぞお気軽にお参りください。
また、個別にお盆法要や初盆法要のお勤めをご希望の方は、お寺までご連絡ください。
お盆は法要のご依頼が重なりますので、お早めのご相談をお願いいたします。

◦死の体験旅行  6月18日(月)19時 豊島区 金剛院
◦自死遺族の集い 6月28日(木)10時30分 築地本願寺
◦神之木地区センター写経会 毎月第1火曜18時30分(変更の場合あり)

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2018年5月号 [和庵だより]

◇ 耳に十四の心 ◇

タイトルを見て「聴」の字がパッと思いついた方は、クイズが得意な人かもしれません。
耳偏に十四の心と書くと、漢字の「聴」になります。音を「きく」という字は聞・訊・聴とありますが、「聴」はその中でも「まともに耳を向けてきく、耳を澄ましてきく」と辞書『漢字源』に書かれています。

私がカウンセリングに初めて触れたのは、僧侶向けの勉強会に講師としていらしていた、カウンセラーの富田富士也先生でした。富田先生は「人の話を聴くというのは、自分の心に多くのヒダを作って、そのヒダに相手のやるせない気持ちを染み込ませていくのです」とおっしゃいました(だいぶ前の記憶なので、詳細は異なるかもしれません)。
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人の悩みをきくことを「傾聴」と言います。また浄土真宗で法話をきくことを「聴聞」と言います。どちらも「聴」の字が入っている通り、ただの音声や情報としてきくだけでなく、自分の心に相手の苦しみや仏さまの教えを沁みこませてゆく…そんなきき方ができた時こそ「聴」の文字がふさわしいのでしょう。

また、カウンセラーや僧侶でなくても、人がこの世界で生きる上で他者と関わらずにはいられませんから、「聴く」姿勢を頭の片隅に置いておくのは大切なことだと感じます。その姿勢は、外での人間関係だけでなく、家族との会話でも潤滑油の働きをしてくれます。

とはいえ富田先生も、年ごろのお嬢さんの言葉につい「傾聴モード」のスイッチが入ってしまった時、娘さんは敏感に感じ取って「私と話す時はカウンセラーはやめて!」と言われてしまったそうですから、なかなか難しいことでもあります。

4月は、なごみ庵に普段以上に多くの相談がありました。しっかりと「聴く」ことができただろうか、安心していただけただろうか、ということが気がかりです。


△ お 知 ら せ △

◎新リーフレット完成!
長年デザインを変えていなかった なごみ庵のリーフレットですが、パソコンに付きっきりになって新しく作成しました。

内容は大きく変わっていないものの、表面にご本尊の写真を載せ、また住職・坊守のイラスト以外の絵を、友人の曹洞宗僧侶の作品を使わせていただきました。

寺報に1部ずつ同封させていただきます。ご友人やお知り合いに差し上げたい方がいらっしゃいましたら、どうぞお寺までご一報ください。

◎神奈川区 寺院にて 「恵信尼ものがたり」5月3日(木祝)13時
現在満席となり、キャンセル待ちになっております。

◎寺社フェス向源 中目黒 正覚寺さまにて 5月5日(土祝)

◎三浦霊園 合同墓 倶生の碑 墓参&バスツアー 5月20日(日)
例年4月上旬に開催しているバスツアーですが、今年は5月20日に開催いたします。
ご興味のある方、ご参加ご希望の方は、お寺までご連絡ください。

◎ひとり暮らしの会 なごみ庵にて 5月29日(火)11時 参加費1000円

昨年の11月以来、半年ぶりの開催です。お昼ご飯をご一緒しながら、交流を深めます。
準備の都合上、4日前の5月25日までにお申し込みください。

◦死の体験旅行 5月14日(月)19時 豊島区 金剛院
◦自死ご遺族分かち合い 5月24日(木)10時30分 築地本願寺
◦神之木地区センター写経会 毎月第1・3火曜18時30分(変更の場合あり)

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2018年4月号 [和庵だより]

◇ 「大丈夫?」の使いかた ◇

 ある記事で「大丈夫ですか?」という問いかけは、大丈夫ではなくても「大丈夫です」と答えざるを得ない、いわば暴力性がある言葉だ、と書かれていました。
 暴力性というと言葉が強烈ですが、確かに「大丈夫ですか?」と聞かれて「大丈夫じゃありません」と答えるのは、かなりハードルの高いことです。

 私が所属し活動する「自死・自殺に向き合う僧侶の会」に、救護班として毎年協力してくださっている牧師で医師のHさんは「追悼法要の時、具合の悪そうな人がいたら『大丈夫ですか?』と声をかけないでください」と仰います。

 何故かというと、そう問いかけられて「ダメです」と答える人はかなり危険な状態にある場合がほとんどで、逆に言えば救急車を呼ぶようなレベルの人でないと「ダメです」とは口にしないというのです。
 もっと具体的に「ちょっと救護室で休みましょう」とか「水を持ってきましょう」と言葉をかけるべきで、これはもちろん追悼法要だけでなく、普段から意識していて良いことです。

 このように何気なく使っていても問題が生じてしまう言葉として他に「頑張って」があります。頑張る余力がある人に使う分には問題ありませんが、うつ病などの方に「頑張って」と言うのは、その人の頑張りを否定するものとして、最近では気をつけるべきという認識が広まりました。
 「頑張って」の次は「大丈夫」の使いかたに気をつけ、より相手に寄り添う言葉をかけられるようになりたいものです。

◎下北沢ザ・スズナリ『妄想先生』 駅出口の注意について
先月号でお芝居のご案内をいたしましたが、駅の大改修があり、今まで劇場最寄り出口だった南口が廃止されました。今後の最寄り出口は北口ですので、どうぞお気をつけください。

△ お 知 ら せ △
◎柴又帝釈天 いのりんぴっく 4月7日(土)
寅さんで有名な柴又帝釈天、実は日蓮宗の題経寺というお寺。そちらで「いのりんぴっく」という花まつりの行事があり、「死の体験旅行」でお招き頂きました。

◎坊守出演舞台 プレオム劇『妄想先生』観劇会 4月14日(土)14時の回
4月14日の昼公演の観劇会、駅集合の方は「北口」に集合場所が変更になりましたので、お気をつけください。別の日程ご希望の方も、どうぞお寺までお申し込みください。

◎兵庫県福祉センターにて「死の体験旅行」 4月21日(土)
兵庫県の社会福祉/介護福祉などの会にお招き頂きました。日帰りの強行軍です。

◎愛知県小牧市の寺院にて 「恵信尼ものがたり」4月29日(日)

◎神奈川区の寺院にて 「恵信尼ものがたり」5月3日(木祝)13時

◎寺社フェス向源 中目黒 正覚寺さまにて 5月5日(土祝)

◎三浦霊園 合同墓 倶生の碑 墓参&バスツアー 5月20日(日)
例年4月上旬に開催しているバスツアーですが、今年は5月20日に開催いたします。
詳しくは別紙ご参照の上、どうぞお気軽にお申し込みください。

◎ひとり暮らしの会 なごみ庵にて 5月29日(火)11時

◦死の体験旅行 4月23日(月)19時 豊島区 金剛院
◦自死ご遺族分かち合い 4月26日(木)10時30分 築地本願寺
◦神之木地区センター写経会 毎月第1・3火曜18時30分(変更の場合あり)

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2018年3月号 [和庵だより]

◇ 往生ばやり ◇

 過去の記録を見ると、2011年12月の寺報も同じく「往生ばやり」と題していました。
往生とは仏教、特に浄土真宗で、人が亡くなることを指す言葉です。とは言っても単に亡くなるという意味ではなく、「浄土に往って、仏として生まれる」。つまり阿弥陀仏に救いとられて成仏なさいましたよ、という意味の言葉になります。

 今年の冬は特に寒かったせいでしょうか、往生の報に接する機会が少なくありませんでした。なごみ庵のご近所で、親しくさせて頂いていたOさん。ご自身もご高齢ながら、体調の悪い奥さまを献身的に看病し、1年半前にお見送りになったばかりでした。90代半ばを過ぎても非常にお元気で、オリンピック、そして100歳を目標としていらっしゃいました。

 もうおひとり、別のOさんは法話会と写経会にいらしていたので、ご存知の方も多いと思います。この方もやはり奥さまが先に亡くなり、それがきっかけで仏道に興味を抱き、なごみ庵においでくださるようになりました。
 仏教用語をしっかりと自分で解釈し、私にも様々な質問を投げかけてくれました。私たち僧侶は、こうした方のお陰でお育てを頂くのだな、と感じさせてくれた方でした。



 冒頭に「往生とは単に亡くなることではない」と書きました。先に浄土に往って仏となった方を思い、その方に恥じぬように生きようと心に思います。また自分もいつか仏になる〝いのち〟を生きているのだ、という思いは私を勇気づけてくれています。

◎おてらおやつクラブ、支援先が増えました!
 毎月第2水曜日に神奈川区社会福祉協議会にお菓子をお持ちし、たんまち塾/かみのき塾さんにお渡ししていますが、このたび友ゆうスペースさんも支援先としてご縁を結ばせて頂きました。


△ お 知 ら せ △

◎春のお彼岸法要 3月18日(日)13時
先月お知らせした通り、春のお彼岸法要をお勤めいたします。
春秋のお彼岸では法要後に絵本の朗読があり、その絵本についてのご法話をさせて頂いていましたが、今回は金子みすゞさんの詩に画家の中島潔さんが絵を描いた詩画集を用います。

◎坊守出演舞台 プレオム劇『妄想先生』観劇会 4月14日(土)14時の回
同封のチラシと申し込み用紙の通り、4月14日の昼公演を皆さまとご一緒に観劇したいと思います。別の日程がご希望の方も、どうぞお寺までお申し込みください。

◎三浦霊園 合同墓 倶生の碑 墓参&バスツアー 5月20日(日)
例年4月上旬に開催しているバスツアーですが、今年は5月20日に開催いたします。来月号で詳細をお知らせいたしますが、参加ご希望の方はぜひ予定を手帳に書き込んでおいてください。なお今回は、墓参・食事・買い物のシンプルなツアーになる予定です。

【報告】芥川賞 授賞式に出席 2月22日(木)
先月号では、住職の友人女性僧侶が芥川賞に選ばれたとご報告しましたが、なんとその授賞式にお招きを頂きました。こんな機会は一生に一度でしょう、いそいそと出かけました。場所は帝国ホテルの孔雀の間。3月の行事においでの方には、もれなく住職から自慢話…ではなく体験談のご報告をさせて頂きます。

◦死の体験旅行 3月12日(月)19時 豊島区 金剛院
◦自死ご遺族分かち合い 3月22日(木)10時30分 築地本願寺
◦神之木地区センター写経会 毎月第1・3火曜18時30分(変更の場合あり)

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2018年2月号 [和庵だより]

◇ 芥川賞! ◇

1月号で、「自死・自殺に向き合う僧侶の会」の法友で、女性僧侶の石井遊佳さんが執筆した『百年泥』が芥川賞にノミネートされたことをお伝えしました。

「もしかしたら……いやでもデビュー作がいきなり芥川賞は……」とドキドキしながらニュースを見ていたら、「芥川賞 石井遊佳さん」と速報が! 今回は2名の受賞だったようですが、まさかが本当になってしまいました! しかし本当に嬉しいです。人さまのことで、こんなに嬉しい気持ちになれるとは思ってもみませんでした。

石井さんは私と同じく一般家庭出身で、ご縁あって僧侶になって間もなく「自死・自殺に向き合う僧侶の会」に入会されました。私よりも年齢は少し上ですが、会では後輩になりますので、色々とお伝えをさせて頂いておりました。

ほどなくして、「亡き方への手紙」というプロジェクトが立ち上がり、石井さんと私ともう1名の僧侶がメンバーになり、リーフレットを作ることになりました。その説明文を作る時に石井さんが「私、文を書くのが得意なので下書きを作りますよ」と率先して仰ったのです。

あとで考えれば、そりゃあ「文を書くのが得意」なはずです。なにせ後の芥川賞作家なのですから! でもそんなことを知らない私ともう1人の僧侶は、出来上がった下書きにあーだこーだと注文をつけ手直ししました。今考えると、穴を掘ってでも入りたいほど恥ずかしいです。

でも今回そのことを伝えると、文は目的・対象・状況で考えるものなので文章技巧とは別物ですよ、と仰ってくれ、ホッとました。

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大きな賞を取ると出版も早いですね。
『百年泥(ひゃくねんどろ)』新潮社から1月24日に発売だそうです。


△ お 知 ら せ △

◎春のお彼岸法要 3月18日(日)13時
別紙の通り、春のお彼岸法要をお勤めいたします。
ここ最近、法要後に絵本の朗読があり、その絵本についてのご法話をさせて頂いていましたが、今回は金子みすゞさんの詩に画家の中島潔さんが絵を描いた詩画集を用います。

◎三浦霊園 合同墓 倶生の碑 墓参&バスツアー 5月20日(日)
例年4月のはじめ頃に開催しているバスツアーですが、今回はもう少し暖かい時期と思い、5月20日に開催いたします。4月号で詳細をお知らせいたしますが、参加ご希望の方はぜひ予定を手帳に書き込んでおいてください。

【報告】彫仏ワークショップ 1月6日(土)
若手仏師の山崎仁さんによる「手のひら地蔵彫りワークショップ」を開催いたしました。
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寺報などでまったくお知らせをしていなかったのですが、実はある自助グループの代表と山崎仏師が当庵で出会って生まれた企画で、今回はその会員限定でした。でも、とても良い時間でしたので、今後なごみ庵の縁人の皆さまにもご案内できればと思っています。

◦死の体験旅行 2月14日(水)19時 豊島区 金剛院
◦自死ご遺族分かち合い 2月22日(木)10時30分 築地本願寺
◦神之木地区センター写経会 毎月第1・3火曜18時30分(変更の場合あり)
◦神之木地区センター笑いヨガ 2月12日(月)10時30分

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2018年1月号 [和庵だより]

◇ いのちの先生 ◇

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今年は戌年ということで、坊守の実家で飼っている柴犬の写真を載せてみました。しかしこの写真、実は前回の戌年の頃に撮ったものです。当時3歳と若々しかったタロも、今では15歳のおじいちゃんとなり、「老い」ということを教えてくれています。

犬、猫、ウサギ、熱帯魚などペットを飼っている方も多いと思います。私の知人に獣医を兼業している異色の住職がいますが、お盆・お彼岸・報恩講…どの法要よりも、ペットの追悼法要が最も参拝者が多くなるのだそうです。


人間よりもペットの法要の方が盛大なのは笑い話のようでもありますが、もの言わぬ動物だからこそ愛情もひときわ深くなるようです。また、単に愛情を注ぐ相手というだけでなく、ほとんどが人間よりも寿命の短い動物たちだからこそ、いのちの尊さ・儚さ・大切さを私たちに教えてくれているように感じられます。

昨年、ある宗派で「ペットは極楽浄土に往生できるのか」という論争が巻き起こりました。言い換えると「ペットは成仏できるのか」ということです。私は、私たちに いのちの尊さ・儚さ・大切さを教えてくれる存在は、善知識、つまり尊い存在と言えると思います。尊い存在であるのなら、私を導く仏さまと捉えることも出来るのではないでしょうか。

また、「いただきます」という食事の言葉も、食卓に並ぶ「いのち」を尊ぶ言葉です。お正月でご馳走が続くかもしれませんが、そんな時こそ気持ちを新たに「あなたの〝いのち〟をいただきます」と手を合わせてみてはいかがでしょうか。


△ お 知 ら せ △
◎イキイキ長いきの会 1月5日(金)14時
毎月第1金曜日に開催されているイキイキ長いきの会。舞台女優の坊守の指導によりストレッチや呼吸法、発声練習を行い、イキイキ元気な生活を目指します。どうぞご参加ください。

◎芥川賞 発表 1月16日(火)
なごみ庵の予定ではありませんが、「自死・自殺に向き合う僧侶の会」で一緒に活動しているインド在住の女性僧侶、石井遊佳さんの初の小説が昨秋「新潮新人賞」を受賞しました。そしてその勢いで、なんと芥川賞候補にノミネート! 発表日はドキドキしながら過ごすことになりそうです。

【報告】いのちの日 いのちの時間 東京 12月1日
今年は築地本願寺の蓮華殿で開催された自死者追悼法要、大きなお堂がいっぱいになるほどのご遺族、また超宗派の僧侶が集まり、亡き方々への追悼の時間を過ごしました。

【報告】報恩講法要 12月10日
テレビや雑誌、出版などで大活躍の僧侶 大來尚順さんをご講師にお招きいたしました。1時間のご法話は20分ずつの3部構成で、ご自身の留学の経験やテレビ収録のウラ話などを交えつつ浄土真宗の教えをお話し頂きました。

◦死の体験旅行 1月15日(月)19時 豊島区 金剛院
◦自死ご遺族分かち合い 1月25日(木)10時30分 築地本願寺
◦神之木地区センター写経会 毎月第1・3火曜18時30分(変更の場合あり)
◦神之木地区センター笑いヨガ 1月8日(月)10時30分

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なごみ庵だより12月号 [和庵だより]

◇ 『英語でブッダ』 ◇

 今回のタイトルは、12月10日の報恩講のご講師、大來尚順さんが扶桑社から出された書籍のタイトルです。大來さんは日本の大学を卒業後、アメリカに渡って仏教を学び、ハーバード大学神学部で研究員を経た後に帰国されました。

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 「え? アメリカで仏教?」と思われるかもしれません。確かに「多くの人が信仰している宗教」という意味で言えば、アメリカはキリスト教、仏教は日本やタイなどアジアの国々というイメージです。しかし仏教を学問として研究するのは、欧米の方が進んでいるとも言われます。

 なにはともあれ帰国した大來さんは、宗教書の翻訳や、タイトルのような著作活動を精力的に行っています。ではちょっと『英語でブッダ』を開いてみましょう。

 平家物語で有名な「諸行無常」は「everything is changing」と訳されています。全てのもの(everything)が、変化し続ける(changing)という非常に明解で分かりやすい翻訳です。

 また、浄土真宗で大切な言葉「他力本願」は、「他人の力をあてにすること」という誤った解釈が広まってしまっています。文字を見れば誤解するのも仕方の無いことかな、と思いますが、英語では「primal vow by other power」となり、機械的に翻訳すると「他の力による原初の誓い」となります。「原初の誓い」という言葉が目に入り、誤解が生じにくくなります。

 さらに正確な表現になると「original vow to save sentient beings by Amida's other power」となり、「阿弥陀の力によって衆生を救う独創の誓い」となり、誤解をする余地がまったく無くなります。

 分かっているようで分かりにくい仏教の様々な言葉や教えも、英語を通すことでかえって理解しやすくなるということがあります。ぜひ報恩講で大來さんのご法話をご聴聞ください。


△ お 知 ら せ △

◎いのちの日 いのちの時間 東京 12月1日(金)16時開式 築地本願寺
例年通り12月1日、超宗派の僧侶による自死者追悼法要が厳修されます。
この情報を必要としている方がいらっしゃいましたら、どうぞお伝えください。

◎プレオム劇の朗読ライブ 12月5日(火)19:30 / 6日(水)14:00/19:30 吉祥寺
坊守(お寺の奥さん)出演の朗読ライブ。お申し込みは なごみ庵まで。

◎報恩講法要 12月10日(日)13時 なごみ庵
浄土真宗のお寺で最も大切な法要、報恩講(ほうおんこう)。
ご講師は、テレビや新聞、雑誌で大活躍の大來尚順さんです。お聴聞ご希望の方は、どうぞお寺まで出欠のご連絡をお願いします。

◎訪問介護員中央研修会 出講 12月19日(水) 茨城県水戸市

◎お坊さんが話す終活のホンネ 出講 12月25日(月) シニアステーション田園調布

◎二歳参り 12月31日(日)22時ごろより なごみ庵
大晦日の夜を皆さんと歓談させて頂き、年の変わり目は短いお経とお念仏で過ごします。
準備の都合上、なるべく参加のご連絡をお願いいたします。

◦死の体験旅行 12月18日(月)19時 豊島区 金剛院
◦自死ご遺族分かち合い 12月28日(木)10時30分 築地本願寺
◦神之木地区センター写経会 毎月第1・3(火)18時30分(変更の場合あり)
◦神之木地区センター笑いヨガ 12月11日(月)10時30分

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2017年11月号 [和庵だより]

◇ ロボット僧侶!? ◇

 夏に開催されたエンディング産業展で、最も注目を浴びたのはロボット僧侶でした。SoftBankが販売している人型ロボットのペッパーに僧衣を着せ、読経をしたり木魚を叩いたりという姿が面白かったのか、テレビでも何度か放映されたようでした。

 テレビやネットで様々な意見が出ていましたが、流石に現時点で自分や家族の葬儀にペッパー僧侶をお願いしたい、という声は聴かれませんでした。しかし将来もっと技術やAIが発達したら、人間の僧侶よりも良い説法などをするのではないか、といった意見にはなるほどと思いました。

 ただ、どうしてもロボットには人間と異なる部分があります。それは「死」です。
buddha_satori_gedatsu_bodaiju.png
 仏教は、2500年前にお釈迦さまが老病死への恐怖を抱いたことが出発点です。ロボットももちろん故障したり壊れたりすることはありますが、部品を交換したり、新しい機体にデータを移すことが出来るでしょう。なのでおそらく、人間が老病死に感じるような恐怖、つまり自分という存在が消え、また人々の記憶から消え去ってしまうのではないかという恐怖を、機械であるロボットは感じ得ないのだと思います。

 僧侶が、葬儀や法事などのセレモニーで、お経を上げるだけの機械のような役割しか果たさないとしたら、それこそ機械に取って代わられることもあるかもしれません。けれど、人間として互いに苦悩を抱え、一緒に悩んだり、悲しんだり、励ましたり、笑ったりという役割を、生身の僧侶だから持ち得るのだと思います。

 なごみ庵の山号「倶生山」には、「倶(とも)にこの世を生きる」という意味が込められていて、私は縁ある方の伴走者でありたいと思っています。そしてこの世の縁が尽きた時は「倶に浄土に生まれる」仲間でありたいとも思っています。


△ お 知 ら せ △

◎寺フェスin YOKOHAMA 11月11日(土)9時〜16時 妙蓮寺
東横線 妙蓮寺駅前の妙蓮寺さまで寺フェスが開催されます。広い境内では七五三法要やヨガ体験、マジックショーやバルーンショー、写経、写仏、お坊さんカフェ、日蓮宗独自の水行体験など盛りだくさんです。私も僧侶向け講座の講師として、会場に行っています。

◎ひとり暮らしの会 11月21日(火)11時 なごみ庵 参加費1000円
5月から久しぶりの開催です。お昼ご飯をご一緒しながら、交流を深めます。
準備の都合上、4日前の11月17日までにお申し込みください。

◎いのちの日 いのちの時間 東京 12月1日(金)15時受付開始 築地本願寺
例年通り12月1日、超宗派の僧侶による自死者追悼法要が厳修されます。
この情報を必要としている方がいらっしゃいましたら、どうぞお伝えください。

◎プレオム劇の朗読ライブ 12月5日(火)・6日(水) 吉祥寺
坊守(お寺の奥さん)出演の朗読ライブ、詳細は別紙ご覧ください。

◎報恩講法要 12月10日(日)13時 なごみ庵
浄土真宗のお寺で最も大切な法要、報恩講(ほうおんこう)。詳細は別紙ご覧ください。

◦死の体験旅行 11月20日(月)19時 豊島区 金剛院
◦自死ご遺族分かち合い 11月22日(水)10時30分 築地本願寺
◦神之木地区センター写経会 毎月第1/3火曜18時30分(変更の場合有)
◦神之木地区センター笑いヨガ 11月13日(月)10時30分

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