いつの間にやら全10回講座の9回目です!
今回のご講師は上智大学講師の﨑川修先生。お若そうだな〜と思っていたら40歳とのこと。1歳違いでした。
﨑川先生は哲学専攻で、
5回目の寺田先生と同じく、現場と言うよりは哲学的な面からのお話でした。
まずやはり、グリーフケアとはなんぞや、ということから入っていきます。
印象的だったのは「悲嘆を癒す、という心理療法的なものではない」という言葉。
グリーフケアなどと言うと、ついつい「相手の悲嘆を癒すのだ」と思いがちですが、それは「手術で病巣をとってしまえ」という西洋医学的な発想なのだと思います。しかし「療法ではない」、つまり癒して無くしてしまう、ということではないのですね。
そして講義の中〜後半に、先生は仏教的な言葉は使わないものの、僧侶としてとても関心のある話になりました。
それは「死別による対象の喪失をした者をケアするのだが、その当事者は同時に死者をケアしようとしている」というものです。
つまり…
ケアする人→ケアされる人→亡くなった人
という流れがあると言うのです。
これは
僧侶→遺族→故人
と置き換えることが出来るのではないでしょうか。
つまり僧侶は法要を通じて、故人に何かをしてあげたいという遺族のニーズを満たしている、ということです。
この講座と別に、最近法要の持つ「グリーフケアの力」を再確認した出来事がありました。
その経験とこの講座がピタリと重なり、非常に納得がいく講義となりました。