大阪にはこれまであまり縁が無かったのですが、浄土真宗本願寺派の青年布教団から「死の体験旅行」のご依頼を受け、同宗派の津村別院に伺うことになりました。ちなみに大阪の方に「津村別院」と言ってもピンと来ず、「北御堂(きたみどう)」と言わなければ伝わりません。有名な歌『雨の御堂筋』は、この北御堂と、真宗大谷派の難波別院(南御堂)が面する大通り(関西では「通り」を「筋」と言うようです)を舞台にしています。

そんなわけで「雨の御堂筋だ〜〜」と大阪行を喜んでいたら、台風7号の影響で2日間とも悪天候になり、ホントに雨の御堂筋をウロウロする羽目になってしまいました (>_<)


それはともかく1日目。
ワークショップは夕方からだったので、早めに大阪に入り、まずは以前から一度お参りしたかった浄土宗の一心寺さまへ。

一心寺さまは「お骨仏のお寺」として知られています。宗派を問わず参詣者から納められたお骨を預かり、10年ごとに仏像に加工しています。

写真、白く見えているのが最も新しい14期(平成19〜28年)のお骨仏。先の大阪地震で光背が破損してしまい修復中とのこと。またその右にボンヤリ見えるのは13期のお骨仏。ロウソクのススやお香の煙で、徐々に色が濃くなっていくようです。

雨の中、多くの参詣者がお参りにやってきていました。
年配の女性とその娘らしき二人連れに「いま手を合わせていらっしゃる仏さまに、ご家族のお骨が含まれているのですか?」とお尋ねすると、母親は「そうなんや〜」と仰る。しかし間髪入れず娘さんが「お母さん、お父さんのお骨はあっちや」とツッコんでいて、さすが関西の方はお参りの時もユーモアを忘れないのだと感服しました(笑)。

ちなみにお骨仏は7〜14期までの8体しか無かったので、職員さんに「それ以前のものは?」と尋ねると「戦争で破壊されてしまい、その欠片を拾い集めて作ったお骨仏が7期のものです」とのことでした。


一心寺さまから徒歩で和宗総本山 四天王寺さまに移動します。
こちらは聖徳太子建立と伝わる、日本で最古の寺院のひとつです。もとは天台宗だったようですが、現在は和宗の総本山となっています。

古くはお寺としての機能の他に「四箇院(しかいん)」と呼ばれる人民救済の建築物があり、今風に言えば「総合福祉施設」としての面も持っていたお寺です。
これからのお寺や僧侶は、再びそういった機能を取り戻さなければならないと常々思っていますので、ぜひお参りしておきたいお寺でした。

講題な敷地に様々なお堂や尊像があり、その中には…

親鸞聖人をまつる見真堂


かと思えば弘法大師の像や…


法然上人の像まで!

一心寺さまと同じく、宗派に関わらず多くの方が参詣されるとのことで、様々な方が手を合わせられるような環境が整えられていました。
いえ、整えられていたというよりは、雑然とした信仰を全て懐深く引き受けている、そんな印象を持ちました。


雨で蒸し暑い中でしたが、以前からお参りをしたかった二ヶ寺を巡り、満足感のある大阪行初日でした……
あっ!
も、もちろん夕方から始まるワークショップもしっかりと講師を勤めさせて頂きました。21名の熱心な僧侶の方々にお受け頂き、その後の懇親会も熱のこもったものになりました (^人^)

2日目に続く