ショックな出来事があり、今日2つめの日記。


小説家 栗本薫さんが、2009年5月26日夜、亡くなってしまいました…。

作品は様々ありますが、個人の書いたものとしては世界最長とされる「グイン・サーガ」(本編126巻・外伝22巻)が代表作と言えるでしょう。

中世ヨーロッパのような世界観に、魔物や魔法が登場するいわゆる「ヒロイック・ファンタジー」作品で、私は中学生の頃に出遇ったのですがすでに十数巻出ていたと思います。
早いペースで本を書く能力に長けており、3ヶ月連続や隔月でどんどんと新刊が出ることもありました。当初「全100巻」を目標にしたこの作品は、目標をゆうに超えどこまで続くのだろうと思っていました。

後書きには、お子さんの事など彼女の私生活が描かれ、小説本編とともに楽しみにしておりました。面識はないのですが、一方的に家族ぐるみの付き合いをしているような感情を持っていました。
数年前からガンを患い、後書きにその病状が載るようになり心配はしていたのですが…まさか56歳というお年で亡くなられるとは信じられない思いでいっぱいです。


非常に大きな喪失感があります。楽しみにしていたストーリーが、これ以上読めないという事がその要因でしょう。誤解を恐れずに言うと、栗本さんが亡くなった事ではなく、グイン・サーガが読めない事が悲しいのだと思います。
ただ、私はグイン・サーガを縁として栗本さんを知ったのですし、私のこの悲しみこそ、小説家栗本薫への最大の哀悼表現になろうかと思います。

病を得た事がきっかけになったのか、ここしばらくの巻では、非常に宗教的・仏教的な一面を見せてくれていました。小説家というよりも、まるで宗教家の様な文言が並び、仮にも僧侶である私はひそかに舌を巻いていたものです。


存命中、最後に刊行された第126巻「黒衣の女王」は栗本さんご自身を表しているのかもしれません。