2月末、「未来の住職塾」3期生卒業式であるフォーラム、そして翌日「サンガの集い」が開かれ、全国から志ある僧侶たちが結集しました。

1日目は浄土宗大本山の増上寺で、新卒業生の事業計画書発表と卒業式。また浄土宗の戸松義晴師による非常に刺激的なご講演がありました。

また、急遽決まった企画「ご縁マーケット」は、何か伝えたいこと、アピールしたいことがある僧侶が資料などを並べるブースです。これが予想外の盛況で、60名ほどの参加者のうち、20名近い出展者が名乗りを挙げ、改めて受講生のポテンシャルの高さを思い知らされました。


2日目は会場を仏教伝道協会に移し、メインは既卒業生4名による取り組みの発表。こちらは質疑応答の時間をたっぷり取り、多くの参加者から活発に質疑が飛び交いました。皆さん、何か自分のお寺に取り入れられるものはないかと、良い意味でギラギラしていたように感じます。

この2日間、私は「未来の住職塾 サンガ護持会」の会長(=雑用係?)として全国から集まった皆さんのお世話をさせて頂きました。本音を言うと、とても疲れました…その疲れを癒してくれたのは、最近「消しゴムはんこ僧」として腕を振るっている正太寺 大河戸悟道住職により新作消しゴムはんこ。
中央上がワタクシ。右下が副会長で、テレビ朝日の「ぶっちゃけ寺」でおなじみの井上広法さん、左下が製作者であり監事である大河戸悟道さん。サンガ護持会の役員三役揃い踏みです。

しかし…他のおふたりは百人一首のお坊さまみたいな感じなのに、私だけ僧兵…なぜ…(笑)

<追記>
「浄土宗の戸松義晴師による非常に刺激的なご講演」というのは、宗教や寺院を取り巻く社会環境を、詳細なデータをもとにお話しいただいたことです。そのデータの中で、「法要が遺族の心を癒すことに役立っているか」という問いに対し、僧侶と檀信徒の認識の差が大きかったことを覚えています。

たしか僧侶側は15〜20%、檀信徒側は1%台だったと記憶していますが、私はこれは好ましい数字ではないかと感じました。なぜなら遺族の方々は、あくまで故人のために仏事を行っていると認識していて、自分たち遺族のためではないと感じているからです。

グリーフを癒すには様々な道があります。そのひとつに「亡き人のために何かをしてあげられた」という思いです。生きている相手なら、好きな食べ物を買ってきたりマッサージをしたり、直接「してあげる」ことができますが、亡き人にはそれは不可能です。法要を営むということは、「故人のためにしてあげられる」ことを実感できるひとつの手段ではないかと思います。

ですので、遺族が法要を「自分の心を癒すのに役立っていない」という認識は、「故人のために何かをしてあげられた」という思いに繋がり、結果として遺族の心が癒されているのではないかと思います。