お寺におりますと、色々な宗教がらみのトラブルの話を耳にします。

私としては、新しい宗教だからダメ、古くからある宗教だから大丈夫、ということは無いと思っています。新しい宗教の指導者や信者でも素晴らしい方はいらっしゃいますし、昔からある宗派の僧侶でも………な方はいます。

ただ、ご縁のある方々に注意喚起をするのも僧侶の勤めと思い、「カルトにご用心!」というプリントを作って寺報に同封しました。


これを見た坊守(妻)がひと言…
「何を信じたらいいか分からないね…」

確かに、あれも注意、これも警戒となると、疑心暗鬼の中で生活しなくてはならないのかと憂鬱になるかもしれません。

でも、カルトに深く関わってしまったがために、本人だけでなく家族の人生まで破壊されてしまった方がいらっしゃいます。
「この宗教はおかしかったんだ」と気づいた後の長い人生を、傷口を少しずつ埋めるような日々を送っていらっしゃる方もおられます。

そうなる前に、縁ある方々にぜひ気をつけて欲しいと念じて、このプリントを作りました。


日本は、宗教に対してあまり関心を持たずに生活していける国です。けどそのせいで、何が正しくて何が間違っているのかの知識を得ることが難しい国でもあります。公教育などから宗教を遠ざけたことで、かえって免疫力が弱まって危険性が増しているように感じます。

登山の知識がある人は、普段着で山に入ろうとする方に「危険ですよ」と注意します。それと同じで、私も注意の声を上げていきたいと思います。