茨城の南端である守谷サービスエリアを出た一行は、北へ。
つくば、、水戸、日立を通りすぎて行くにしたがって…
道の継ぎ目や橋の前後などの段差が徐々に大きくなっていきます。始めは「カタンッ」程度だったのが「ガタンッ」「ドンッ」と車への衝撃が大きくなり、前の車の揺れを見てスピードを落とさなければなりません。
(写真は一般道で撮影した道路のひび割れ。こういった段差が原因で渋滞が発生します。)
車を揺らしながらいわき湯本出口を降り、最初の訪問地へ。ここは高台のニュータウン内の集会場で、小規模の避難所になっています。昼間、若い人は仕事に行ったり、壊れた家の片づけ・大事な物を探しに行っていて、避難所には小さな子やお年寄りが残っています。最初10名ほどで、途中で中学生が学校から帰ってきました。
今回の私たちの目的は、ユーモアのある話や音楽の演奏やヨガ体操で心身をリフレッシュしてもらう事。そして傾聴によって苦しみを少しでも分かち合う事です。
まずは隊長の赤川さんが僧衣でトランペットを吹きます。さらに笑い療法士の資格を生かしてユーモアを交えつつ、時にはキーボードを弾き皆で合唱。
曹洞宗のお坊さんにバトンタッチすると、緊張や不安を軽減する方法として座禅の呼吸法をお教えします。さらにもう1人の曹洞宗の尼僧さんはヨガの先生もしていらして、簡単に出来るヨガを伝授します。
避難所では、特にお年寄りは毛布にくるまったままじっとしている、という方が多く、運動不足やエコノミークラス症候群の危険性が高まっています。
皆さんそれを感じているのかヨガ体操は人気で、どの避難所でもほとんどの方が一緒に体を動かしてくれました。
その後は各メンバーがそれぞれの避難者に寄り添い、お話しをお聴きします。
しばらく傾聴させて頂いていると、医療チームが巡回回診のためやってきました。医師と看護師と薬剤師が5名ほどでチームを組んで、避難所を回っているようです。
ふと制服の文字を見ると「愛知県」と書いてあります。また他の避難所では、長崎県から来た市役所職員さんが、応援職員として働いていました。自衛隊もそうですが、日本中の力がこの被災地に集まっているんだな、と感じました。人体が傷つくと白血球が集まって治療にあたりますが、それに似ているかもしれません。
最初の訪問地を出た一行は、次の避難所に向かうために海沿いの道に下りて行くと…
景色が一変しました。津波が来た所はこの有り様です。あと1日でこれらの撤去が始まるらしく、多くの人が自分の大切なものを探し回っていました。