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『悲しみを支える本』読了 [カウンセリング]

『悲しみを支える本』河合千恵子・佐々木正宏著 学研
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表紙の右下に「死別で遺された人を癒すために、あなたができること」と書いてあり、主に配偶者を喪った人の悲しみを中心に、豊富な実例、インタビューをあげて記されています。
配偶者を喪った悲しみは想像以上で、本の冒頭では体験者の言葉で「体の半分がなくなる感じ。切られるんじゃなくて、千切られる感じ。」と表現されています。

その悲しみに寄りそうには、とにかく時間が掛かるという事を念頭に置く事が大切なようです。また、様々な精神状態におちいって、援助者を遠ざけようとする場合もあるとの事。細やかな配慮が必要なんだな、と感じました。


私は僧侶ですから、親しい人・配偶者を喪った人、そういった悲しみを抱える方と接する機会が必然的に多くなります。どんな事に気をつけて接すれば良いか、どう支えていったら良いのかを教えられました。

また、通夜や葬儀、法事や命日のお参りなどが、遺された人のメンタルケアとしての役割を担って来た事も改めて気づかされました。ただ古い慣習としてあるわけではなく、深い意味のある事だったようです。

現在、葬に関する諸儀式は簡略化の一途をたどっていますが、その事とカウンセラーや精神科医の必要性の高まりとは無関係ではないような気がします。本来の癒しの場が失われたからこそ、新しい癒しの場が求められたのでしょうか。
お通夜の前の枕経や、(葬儀組み込みでない)初七日。また四十九日まで七日ごとのお参り。月命日のお参りなどをお勤めしていけば、悲しみからの癒し・再生に大きな力を発揮出来るように思います。

もちろん僧侶の資質も求められます。研鑽あるのみです。

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