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2020年4月号 [和庵だより]

◇ 情報の波 ◇

新型コロナウイルスの騒動が続き、なごみ庵の行事も中止などの対応をしている中、3月の真宗教団連合のカレンダーの言葉にハッとさせられました。
「本当のものがわからないと、本当でないものを本当にする」
明治生まれで昭和期に活躍した真宗大谷派の僧侶、安田理深さんの言葉です。

現在、世間では様々なデマや憶測が流れ、トイレットペーパーやマスクが買い占められたり、こうした行動が良い・悪いなどと、多種雑多な情報が飛び交っています。
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一説には、現代の私たちが得る情報量は江戸時代の庶民の1年分とか一生分などと言います。正確な比較は困難でしょうが、人の移動が少なく情報メディアも無い時代と今とを比べれば、私たちが得る情報量に雲泥の差があるのは確かでしょう。

しかし私たち人間の情報処理能力は、テクノロジーの発達ほどには上がっていません。ですので、どれが真実でどれがデマなのか、どれが有益でどれが無益な情報なのか、押し寄せる情報の波に翻弄されてしまいます。

そんな矢先にカレンダーの言葉が目に飛び込み、「ああ、その通りだ」と感じました。ひとつの情報の正否を判断する間もないまま、次々と新しい情報が飛び込んできます。その中には私たちを不安にさせるものも少なくありません。接する情報を制限するのも大切だと感じます。

コロナウイルスの状況は一朝一夕では収まらず、まだしばらく続きそうな気配です。不安を煽るような情報に突き動かされそうになった時には、一瞬間を置いて深呼吸をし、今月の言葉を思い出してください。私たち一人ひとりが少しずつ落ち着きを取り戻し、一日でも早くこの事態が収束するよう、心から願わずにはいられません。


◎ お 知 ら せ ◎

◎3月の行事について
・3月20日(金祝)10時半/15時の写経会
・3月22日(日)13時の春彼岸法要
・3月27日(金)10時半の笑いヨガ

※下記の対策をした上で開催いたします。
・行事の前後に施設内の消毒や換気を行い、行事中は加湿器を使用します。
・手指アルコール消毒の準備をしていますので、来庵時にご使用をお願いします。
・来庵時の移動や行事中は、マスクの着用をお願いします。
・行事後の茶話会は中止といたします。
・体調不良や持病のある方は、参加をお控えください。
・公共交通機関の使用に不安のある方は、ご無理なさらないようお願いします。

◎金子みすゞ ひとり舞台 4月5日(日) ※中止になりました

◎3月14日、京浜急行の仲木戸駅が「京急東神奈川駅」に駅名変更いたしました

◦なごみ庵 オリジナルお経本&お経CD 各500円 郵送の場合は別途送料200円です
◦神之木地区センター写経会 4月7日(火)・21日(火) 18時30分
◦死の体験旅行 豊島区 金剛院:4月15日(水)・5月11日(月) 19時
        神奈川大学 生涯学習:4月23日(木) 18時30分
◦自死遺族の集い 3月中止・4月23日(木) 10時30分 築地本願寺

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2020年3月号 [和庵だより]

◇ 40ヶ月分のおやつ ◇

なごみ庵では2016年6月から「おてらおやつクラブ」という社会活動に参加しています。奈良県の浄土宗のお寺で始まったもので、お寺にお供えとして上がるお菓子や果物を、何か問題を抱えていたり困っていたりする家庭(母子家庭が多いそうです)や、あるいは児童支援団体などにおすそ分けをしています。

単なる食料支援というだけではなく、お菓子を手渡しする顔の見える関係性を作り、本当に困った時に声をかけてもらいやすくするという目的もあります。2018年にはグッドデザイン賞、しかもNPO法人として初&商品でなく活動として初の大賞を受賞し、注目を集めています。

なごみ庵も2016年にこの活動に参加することを決めましたが、関西から始まったものですので当時は関東に被支援希望者や団体があまりありませんでした。他の地域への支援でも良かったのですが、できれば地元の方へ直接お菓子を渡したいと思い、まずは神奈川区役所へ相談に。

そこから社会福祉協議会を紹介され、その施設で活動をしていた学習支援団体にお菓子をお渡しすることになりました。その後しばらくして、外国に繋がりのある子どもの学習支援団体にもお菓子をお渡しすることになり、現在2団体と繋がりをもっています。

お供えとして上がったお菓子や、あるいは募金箱から費用を賄い、月に1度持参しています。ささやかな活動ですが3年半ほど経った昨年秋、社会福祉協議会から「表彰式のご案内」という手紙が届きました。社会福祉のために活動する個人や団体を、年に一度表彰しているのだそうです。
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そのために活動していたわけではないのですが、そうして評価していただけることを嬉しく思いました。
表彰式の当日。他にも多くの個人や団体が表彰されていて、普段は見えないけれど社会にはまだまだ暖かい気持ちが満ち満ちているのだな、そう感じました。


◎ お 知 ら せ ◎

※新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、急きょ行事を中止する場合があります。その時はFBやHPにお知らせを出しますので、どうぞお出かけ前にご確認ください。

◎春のお彼岸法要 3月22日(日)13時
先月お知らせの通り、お彼岸の法要をお勤めいたします。法要のあと、坊守による絵本『きみはほんとうにステキだね』の朗読と法話をいたします。お子さん、お孫さんなどもぜひ一緒にご参加ください。
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◎金子みすゞ ひとり舞台 4月5日(日) 戸塚区 妙法寺にて
坊守が演じる「金子みすゞ いのちへのまなざし」を戸塚区の日蓮宗 妙法寺さまにて公演させていただくことになりました。15時から法要、16時からお芝居の上演です。
どちらかでのご参加でも両方のご参加でも大丈夫ですので、ぜひ足をお運びください!
…ですが現在コロナウイルスが世間を賑わせており、今後の状況によっては急きょ中止の可能性もあります。ですので参加ご希望の方は当庵までご連絡ください。予定変更の場合はお知らせいたします。
妙法寺:横浜市戸塚区名瀬町772−4

◎写経会 午後の部(15時) 2月より新設!
3月は20日、春分の日にあたりますので、平日は都合がつきにくい方もご参加いただけます。午前は満席状態が続いていますので、ぜひ15時からの午後の部においでください。
用紙・筆ペンはこちらで準備してありますので、手ぶらでご参加可能です。

◎3月14日より仲木戸駅が「京急東神奈川駅」に駅名変更いたします。

◦なごみ庵 オリジナルお経本&お経CD 各500円 郵送の場合は別途送料200円です
◦神之木地区センター写経会 3月3日(火)・17日(火) 18時30分
◦死の体験旅行 豊島区 金剛院:3月18日(水)・4月15日(水) 19時
        神奈川大学 生涯学習:3月12日(満席)・4月23日(木) 18時30分
◦自死遺族の集い 2月27日(木)・3月26日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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2020年2月号 [和庵だより]

◇ 解き、ほぐれる ◇
(自死・自殺に向き合う僧侶の会 会報7号 住職による巻頭言)

秋を迎える頃、「自死・自殺に向き合う僧侶の会」の会合は緊張感を増していきます。宗派も住んでいる地域も異なる私たちは顔を合わせる機会が少なく、秋口から12月の追悼法要の準備を始めるからです。

1998年に3万人を超えた日本の自死者数は、さまざまな努力や施策がなされ、2012年には年間3万人を下回り、2018年は20,598人と減少が続いています。

一方、毎年12月1日に開催される「いのちの日 いのちの時間 東京」の参列者は、2007年の第1回から増減をしつつ、おととし初めて200名を超えました。年単位の自死者数は減っているとはいえ、「自死遺族」そのものは増え続けているのだと改めて思い知らされ、私たちの力の及ばなさを痛切に感じます。

私たちが抱く緊張感の要因のひとつは、200名に達する参列者おひとりおひとり、全員が喪主と言える立場にあることだと気付きました。たとえばご法事に20名の方が参列されていても、故人とそれほど近しくなかった親戚などもおられるでしょうから、喪主やそれに近い立場の方はほんの数名です。

それに対して追悼法要では、そこにいる全員が喪主の気持ちでその場にいらっしゃいます。深く大きな苦しみを抱き、また亡き方への追悼の念を胸に、手を合わせておられるのです。

ご遺族にとって亡くなった大切な人は数万分の1という数字ではなく、人生の大きな部分を占める人、あるいは人生の全てと言っても過言ではない人であったのです。だからこそ、参列者の背中や横顔を見て私たちは身の引き締まるような思いを覚え、微力ではあっても一所懸命に追悼法要をお勤めさせていただいております。そして、そこには法要を執り行う側と参列する側という垣根は無くなり、ご遺族も私たち僧侶も、そして亡き方も共に仏さまの慈悲のまなざしに見守られながら、そっと手を合わせているように感じられます。

日が傾きつつある師走の午後に始まった法要が茶話会を経て閉会し、参列者が会場を後にする頃にはすっかり日も暮れ、街には灯がともります。帰路に着く皆さまの背を見送りつつ、秋口から抱いていた私たちの緊張感も、白い息とともに微かに解きほぐれていきます。そして、皆さまの両肩にのしかかった計り知れぬ重荷もまた、ほんの1グラムでも軽くなり、苦しみや悲しみが少しでも解きほぐれていってほしい、そう心から願うのです。


◎ お 知 ら せ ◎

◎オリジナルお経本&お経CDの販売
なごみ庵オリジナルのお経本とお経CDが完成しました。
お経本には、ご自身の大切な方の名前が書き込める「私の過去帳」ページもあります。
CDは住職・坊守の男女混声のお経と、坊守による『歎異抄』朗読が収録されています。
それぞれ500円で、郵送ご希望の方は別途送料200円をお願いしております。

◎写経会 午後の部 新設! 2月21日(金)15時より
今まで第3金曜日の10時30分より開催していた写経会ですが、満席の状態が続いていました。しかし新規希望者も多いため、2月から15時の部を新たに増設することになりました。参加ご希望の方は、準備の都合上ご連絡ください。
用紙・筆ペンはこちらで準備してありますので、手ぶらでご参加可能です。

◎高座バトル☆ルーキーズ 2月29日(土)16時 恵比寿 寺子屋ブッダ 書坊
同じお題で落語家と僧侶がトークバトルする人気イベント。住職は今回で3回目の登場になります。お相手は若手人気落語家の桂宮治さん。お題はなんと「悪」!
お題の落語→お題の法話→トーク→自由な落語、と盛りだくさんで入場料は2500円です。

◎春のお彼岸法要 3月22日(日)13時
別紙の通り、法要のあと坊守による絵本の朗読と法話を予定しています。
お子さん、お孫さんもぜひお連れください。

◦神之木地区センター写経会 2月4日(火)・18日(火) 18時30分
◦死の体験旅行 2月19日(水)・3月18日(水) 19時 豊島区 金剛院
        3月12日(満席)・4月23日(木) 18時30分 神奈川大学 生涯学習
◦自死遺族の集い 1月23日(木)・2月27日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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2020年1月号 [和庵だより]

◇ 喜びと、悲しみと ◇

国際暦2020年、仏暦では2563年、そして令和では初の年明けを迎えました。別紙の通り、昨年末には法人化記念行事を無事に賑々しく開催することができ、事後処理に追われつつもホッとした年末年始を迎えています(と思います)。

13年がかりの法人化が叶い、その記念行事は本当に喜びに包まれたものでした。1日のうちにあれほど「有り難うございます」と言うことは、そうそうないと思います。しかしその準備も佳境に入った12月上旬、親しい方の訃報が届きました。

舞台役者でもある坊守がここ10年以上関わってきたお芝居の作家・演出家である中島淳彦さんが、58歳の若さでご往生なさったのです。下北沢の劇場で坊守が出演する芝居には、なごみ庵ご縁の方々と観劇ツアーにも行っていたので、驚かれる方も多いかと思います。

ほぼ固定メンバーの女優10名でのお芝居、稽古の期間も長いので、家族のような親戚のような仲間たちです。その中心となって率いてきた中島さんは、役者陣にとって頼れる父のような存在であったと思います。そんな方が亡くなったので、法人化の喜びとともに、大きな悲しみも胸に抱えることになりました。

ご縁が深かったこともあり、記念行事の数日後、私と坊守でお通夜とご葬儀をお勤めさせていただくことになりました。ご本人の交友関係の広さを物語るような錚錚たる参列者が並び、また受付には家族のような女優陣が並びました。それに加え副導師が坊守ですから、まるで芝居のワンシーンに入り込んでしまったような感覚がありました。

記念行事の疲れか私も坊守も風邪をひいてノドの調子が良くなかったのですが、それも家庭的な喜劇作品を得意とした中島さんのシナリオのようだとご家族にはおっしゃっていただきました。悲しくも賑やかになったお通夜ご葬儀は、多くの名作を世に送り出した中島淳彦さんの最後の、いえ仏さまとして最初の作品だったのかもしれません。


◎ お 知 ら せ ◎

◎東急ハンズ渋谷店で仏教イベント「渋谷ハンズお寺サークル」(仮)開催!
1月26日(日)・2月1日(土)の予定
住職も掲載された「坊主めくりカレンダー」が全国の書店やハンズで取り扱われていることを受け、ハンズ渋谷店でイベントが開催されることになりました。
まだ詳細は不明ですが、住職は1月26日に参加の予定です。

◎写経会 午後の部 新設! 2月21日(金)15時より
今まで第3金曜日の10時30分より開催していた写経会ですが、定員一杯の状態が続いていました。それに加えEテレの番組で写経会の様子が紹介されたこともあり、新規希望者も多かったため、2月から15時の部を新設することになりました。
参加ご希望の方は、準備の都合上ご連絡ください。
用紙・筆ペンはこちらで準備してありますので、手ぶらでご参加可能です。

◎高座バトル☆ルーキーズ 2月29日(土)16時 恵比寿 寺子屋ブッダ
同じお題で落語家と僧侶がトークバトルする人気イベント。住職は今回で3回目の登場になります。お相手は若手人気落語家の桂宮治さん。お題はなんと「悪」!
お題の落語→お題の法話→トーク→自由な落語、と盛りだくさんで入場料は2500円です。

◎春のお彼岸法要 3月22日(日)13時
例年通り、法要のあと、坊守による絵本の朗読と法話を予定しています。

◦神之木地区センター写経会 1月7日(火)・21日(火) 18時30分
◦死の体験旅行
1月15日(水) 19時 豊島区 金剛院
3月12日(木) 18時30分 神奈川大学 生涯学習講座
◦自死遺族の集い 12月26日(木)・1月23日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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2019年12月号 [和庵だより]

◇ 象徴 ◇

2019年の6月と11月、なごみ庵に大切な書をご寄贈いただきました。


6月に贈られたものは、真宗高田派の第24世 常磐井 鸞猷(ときわい らんゆう)前ご法主の「静和」と書かれた掛軸。
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そして11月には同じく真宗高田派の第21世ご法主(幕末〜大正)である常磐井 堯熙(ときわい ぎょうき)上人の六字名号(南无阿弥陀仏)の掛軸です。
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今年5月に なごみ庵が単立宗教法人になるにあたり、私は真宗高田派から離れることになりました。そんな私の庵に、こうして貴重な書をお贈りいただけるのは、もったいなくもあり、また有り難くもあります。特に六字名号は仏像と同じくご本尊としての意味もありますので、しかるべき時に掛けさせていただこうと思っています。


さて、今回のお題「象徴」ですが、今年5月1日に新しい時代の天皇陛下が即位され、また10月22日には即位礼正殿の儀が執り行われました。折々のおことばには、上皇さまや昭和天皇が繰り返し口にされた「象徴としてのつとめ」という言葉がありました。象徴とは辞書によると「直接見たり触れたりできないものを、間接的に表現すること」とあります。

仏さまも、仏像や絵や文字で表されてはいますが、あのようなお姿の存在が実際に世界のどこかにいらっしゃるということではなく、あくまで象徴です。本当に大切なことは目に見えることばかりではない、という表れです。なごみ庵はこれからも、目には見えなくても大切なことがあるんだよ、とお伝えしていけるよう歩んでいきたいと思っています。


◎ お 知 ら せ ◎

◎自死者追悼法要「いのちの日 いのちの時間 東京」12月1日(日)16時 築地本願寺
例年通り、自死者追悼法要を開催いたします。
寺報をお送りしている皆さまはもちろん、親戚や友人でお身内が自死をなさって悩んだり苦しんだりしている方がいらしたら、資料をお渡しいたしますのでご連絡ください。

◎宗教法人化記念行事&報恩講 12月8日(日)13時 東神奈川 かなっくホール
先般よりご案内の通り、今年の報恩講は なごみ庵の宗教法人化記念行事を兼ねて開催します。ご講師はNHKシブ5時でお馴染みの釈徹宗さん、開式時間は13時です。
なごみ庵の縁人会員の皆さま、および同伴の方は事前予約可能です。予約も増えてきていますが、なにぶん300名入るホールですので、ぜひ皆さまご家族・ご友人などお誘いいただきご参加くださいますよう、お願い申し上げます。

◎二歳参り 12月31日(月)22時 なごみ庵
今年も大みそかの夜10時から、「二歳参り(ふたとせまいり)」を行います。
のんびりとご歓談いただき、年越しの瞬間はお経とお念仏で過ごします。

◎高座バトル☆ルーキーズ 2020年2月29日(土)16時 恵比寿 寺子屋ブッダ
同じお題で落語家と僧侶がトークバトルする人気イベント。住職は今回で3回目の登場になります。お相手は若手人気落語家の桂宮治さん。お題はなんと「悪」!
お題の落語→お題の法話→トーク→自由な落語、と盛りだくさんで入場料は2500円です。

◦神之木地区センター写経会 12月3日(火)・17日(火) 18時30分
◦死の体験旅行 12月18日(水) 19時 豊島区 金剛院
        12月19日(木) 18時30分 神奈川大学 生涯学習講座
◦自死遺族の集い 11月28日(木)・12月26日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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2019年11月号 [和庵だより]

◇ キリスト教の終活フェア出演 ◇

10月14日、台風19号が過ぎ去った東京大田区蒲田の産業プラザPioで「キリスト教目線から考えるライフエンディングフェア2019」というイベントが開催され、なぜか仏教僧侶の私がパネルディスカッションの場に登壇することになりました。

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色々と準備した上で話す講演と違い、こうした形式は慣れていません。しかも会場は基本的にクリスチャンの方ばかりでしょうし、またご高名な宗教学者の島田裕巳先生(写真右から2番目)、東京基督教大学 神学部学部長の大和昌平先生(右から3番目)、進行役としてキリスト教新聞社社長の松谷信司さん(左端)と一緒の登壇と、何もかも勝手が違う環境でした。

しかし、事前に登壇者と昼食をご一緒しながらお話ししてリラックスでき、また なごみ庵でも告知していましたので7名さまほど応援団がいらしてくださり、心強さを感じました。

パネルディスカッションに先立ち島田先生の講演がありました。島田先生は『葬式は、要らない』や『戒名は、自分で決める』という本を出されていて、お坊さんには大変不評を買っている方です(笑)。しかしお話ししている内容は、少し極端かなと思う部分はあるものの、時代が変われば物事も変わっていくという、まさに諸行無常と感じるものでした。

そして牧師でもある大和先生ですが、もともとは浄土真宗の信仰篤い祖母に育てられた影響で親鸞聖人への尊敬の念がおありとのこと、また京都の佛教大学・大学院で学ばれ、仏教にとても造詣の深い方です。現在大学では東洋思想を受け持ち、なんと親鸞聖人の語録である『歎異抄』を扱っているとのこと。なごみ庵の法話会でも昨年から今年にかけて『歎異抄』を扱いましたが、キリスト者がどうお話しされるのか、ぜひ一度お聴きしてみたいと強く思いました。


◎ お 知 ら せ ◎

◎おてランチ〜語らい&味わい〜 11月19日(火)11時より 参加費1000円
最近あった楽しいことや悲しいこと、驚いたことなどを話したり聴いたりして、その後は皆さんで美味しいカレーをいただきます。準備の都合上、出欠のお知らせをお願いします。

◎自死者追悼法要「いのちの日 いのちの時間 東京」12月1日(日)16時 築地本願寺にて
例年通り12月1日に築地本願寺で自死者追悼法要を開催いたします。
寺報をお送りしている皆さまはもちろん、親戚や友人でお身内が自死をなさって悩んだり苦しんだりしている方がいらしたら、資料をお渡しいたしますのでご連絡ください。
また、直接ご参加になれなくても、亡くなった方にメッセージを送り、お名前を奉読するための用紙がありますので、こちらもご連絡いただければお渡しをさせていただきます。

◎宗教法人化記念行事&報恩講 12月8日(日)13時 東神奈川かなっくホールにて
先般よりご案内の通り、今年の報恩講は なごみ庵の宗教法人化記念行事を兼ねて開催します。
ご講師はNHKシブ5時でお馴染みの釈徹宗さん、開式時間は13時です。
なごみ庵の縁人会員の皆さま、および同伴の方は事前予約可能です。300名入るホールですので、ぜひ皆さまご家族・ご友人などお誘いいただき、ご協力をお願いします。

◎インターネットで記事連載中
・方丈社マガジン「一人称、二人称、三人称の死をおもう」
 http://hojosha.co.jp
・お寺のじかん「お寺はじめました」
 https://www.otera-no-jikan.com

◦神之木地区センター写経会 11月5日(火)・19日(火) 18時30分
◦死の体験旅行
 11月20日(月) 19時 豊島区 金剛院
 12月19日(木) 18時30分 神奈川大学 生涯学習講座
◦自死遺族の集い 10月24日(木)・11月28日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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2019年10月号 [和庵だより]

◇ 世界平和 願いの祭典 プレイベント開催 ◇

来年の東京オリンピック・パラリンピックの正式な応援プログラムとなった「世界平和 願いの祭典」のプレイベントが、9月中旬に本番と同じ築地本願寺で開催されました(各種事情で事前告知ができず申し訳ありません)。
公式サイト http://www.worldpray2020.jp 
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さまざまな宗教や仏教各派が合同で儀式を執り行うという、日本ならではのイベントです。
仏教界としては私が卒業生会会長を務めていた未来の住職塾が関わっていますが、神道・キリスト教・イスラム教・ユダヤ教と、よくこれだけの宗教者が一堂に会したものだと驚かされます。

登場順に並べると、神道・浄土A(浄土宗・浄土真宗)・キリスト教 プロテスタント・密教(天台宗・真言宗)・ユダヤ教・禅(曹洞宗・臨済宗)・キリスト教 カトリック・浄土B(浄土宗・浄土真宗)・イスラム教・日蓮宗、以上10チームがそれぞれの作法で儀式などを行いました。

どうでしょうこのゴチャ混ぜ感! 日本での開催ですから仏教のチームが多く、また浄土系は人数が多いのでA・Bの2つのチームに分かれました(私は浄土Aチーム)。宗教に寛容な日本以外では、こうした行事を開催できる国はそう多くないのではないかと思います。

特に印象的だったのはイスラムチーム。日本人男性2名とエジプト人女性1名の3名で、イスラム教の聖典クルアーン(コーラン)の一節を哀愁漂う旋律に乗せて切々と歌います。

その歌声がインド風建築である築地本願寺の雰囲気に合い、しかも夕日を浴びて幻想的な世界になり、「あれ、自分いまイスタンブールにいるんだっけ?」と錯覚するほどでした。
本番は2020年7月18日(土)・19日(日)です。どうぞご記憶ください。


◎ お 知 ら せ ◎

◎秋のお彼岸法要のご案内
 9月23日(月祝)10時30分より
秋のお彼岸法要 〜親と子の読み聞かせ 絵本に学ぶ仏さまの教え〜
坊守が朗読する絵本は、佐野洋子さん作・絵の『空とぶライオン』です。
ぜひ、ご家族・お子さん・お孫さんもお誘い、お参りください。

◎「キリスト教目線から考えるライフエンディングフェア」
 10月14日(月祝)
キリスト教の関連団体主催の終活フェアで、パネリストとして登壇させていただくことになりました。12時45分から宗教学者の島田裕巳さんによる特別講演があり、その後14時30分から島田裕巳先生、東京基督教大学 神学部 学部長の大和昌平教授、そして私の3名でパネルディスカッションになります。会場は東京都大田区の大田産業プラザPiOです(京急蒲田駅 徒歩3分)。お寺にチラシもございます。

◎日帰りバスツアー「牛久大仏と成田山 秋の茨城・千葉をめぐる」
 10月18日(金)
今年も甚行寺さまとご一緒させていただきます。詳細は別紙ご覧ください。

◎報恩講&宗教法人設立記念
 12月8日(日)13時 東神奈川かなっくホールにて
先般よりご案内の通り、今年の報恩講は なごみ庵の宗教法人設立記念行事を兼ねて開催します。ご講師はNHKシブ5時でお馴染みの釈徹宗さん、開式時間は13時と決まりました。
今月号にチラシを同封しますが、なごみ庵の縁人会員の皆さま及び同伴の方は事前予約可能です。ご来場ご予定の方は、ぜひ事前にお申し込みください。

◦神之木地区センター写経会 10月1日(火)・15日(火) 18時30分
◦死の体験旅行 10月2日(月) 19時 豊島区 金剛院
        12月19日(木) 18時30分 神奈川大学 生涯学習講座
◦自死遺族の集い 9月26日(木)・10月24日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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なごみ庵だより9月号 [和庵だより]

◇ 中学生の君へ ◇

昨年の夏、なごみ庵に中学生のSさんがいらっしゃいました。
Sさんの通う中学校では少し変わった取り組みをしていて、大学の卒業論文のように自分でテーマを決め、2年間かけて研究・発表しているとのこと。

彼女は、自分と同世代の悩みを抱えている人たちに何かかけてあげられる言葉は無いかと考えていた時に、新聞で「死の体験旅行」のことを知り、これがヒントになりそうだと感じたのです。
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もちろん協力をさせていただくことにしました。そして1年が経ち、「今、泣きたい気持ちでいる中学生の君へ」というパンフレットが届きました。そこに添えられていたSさんの手紙には…

このパンフレットには、私と同じ思春期を過ごす中学生の人たちに少しでも役に立ってほしい、という願いがこもっています。

私は死の体験旅行により、言葉の力を感じました。これを活かし、悩んでいる中学生に言葉の力で未来を疑似体験してもらえる内容にしました。浦上さんに教えていただいた「諸行無常」ということを私なりに表したつもりです。是非読んでいただきたいと思います。

…と書かれていました。自分自身が中学生の時を思い返してみると、友人たちが何か悩んだり苦しんだりしていないか、彼らに何かできないだろうか、なんてちっとも考えていなかったと思います。「後生畏るべし」また「後生頼もしい」と感じました。

夏休みが終わる8月31日、そして9月1日は若年層の自死が突出して多い日です。自死までには到らなくとも、悩みを抱えている若者は少なくないはずです。お子さんやお孫さんやご近所さんで、悩みを抱えていそうな若者がいたら、どうぞ優しく見守ってあげてください。またお寺に上記パンフレットがありますので、ご興味のある方はどうぞご連絡ください。


◎ お 知 ら せ ◎

◎NHK総合 ニュース シブ5時 8月29日(木)16時50分〜18時10分
NHKの夕方のニュース番組、シブ5時から現在取材を受けています。放送予定日が8月29日だそうですが、予定変更やカットの可能性もあるので、あまり期待せず、もしお時間があればご覧ください。

◎「死」を通して考える「生」~お坊さんのホンネ~ 9月14日(土)14時
「ユニコムプラザさがみはら」にて(相模大野駅隣接 bono相模大野サウスモール3階)
月に2回ほどのペースで、様々な分野の講師を招いて開催されている「オーサーズカフェ」にお招きいただきました。僧侶は初めての登壇とのことで、どんな話をしようか今から頭を悩ませています。

◎秋のお彼岸のご案内 9月23日(月祝)10時30分より
秋のお彼岸法要 〜親と子の読み聞かせ 絵本に学ぶ仏さまの教え〜
坊守が朗読する絵本は、佐野洋子さん作・絵の『空とぶライオン』です。
ぜひ、ご家族・お子さん・お孫さんもお誘い、お参りください。

◎報恩講&宗教法人設立記念 12月8日(日)午後 東神奈川かなっくホールにて
今年の報恩講は、なごみ庵の宗教法人設立記念行事を兼ねて開催します。ご講師はNHKシブ5時でお馴染みの釈徹宗さんをお招きすることになりました!
しばらく先になりますが、どうぞ今からご予定いただければ幸いです。

◦神之木地区センター写経会 9月3日(火)・17日(火) 18時30分
◦死の体験旅行 9月18日(月) 19時 豊島区 金剛院
        9月26日(木) 18時30分 神奈川大学 生涯学習講座
◦自死遺族の集い 8月22日(木)・9月26日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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2019年8月号 [和庵だより]

◇ いのちの研修 ◇

以前から各地で開催させていただいているワークショップ(体験学習)「死の体験旅行」は、相変わらず一般の受講者も途切れることがありませんが、最近は研修として招かれる機会も増えてきました。看護師への研修、社会福祉士への研修、会社での研修と様々ですが、8月に埼玉のある施設からお招きを受け、とても嬉しくなりました。

そこは全国でも珍しいという、「在宅ホスピス施設」です。「ホスピス」は主にガンなどで終末期になった患者が、穏やかに最期を迎えるための施設やサービスのことを言います。その前に「在宅」が付くので、訪問看護などを利用しながら自宅でホスピスケアを受けるのが「在宅ホスピス」になります。では「在宅ホスピス施設」とは、いったいどういうものでしょうか?
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訪問看護などのサービスを利用したとしても、やはり自宅でホスピスケアをするのは大変なことです。患者の体調が急変すると、思わず救急車を呼んでしまったなどの話も耳にします。

そこで作られたのが「在宅ホスピス施設」で、具体的には終末期患者専用の賃貸住宅になります。患者はそこに住みながらホスピスケアを受けることができ、施設の雰囲気や食事なども病院とはだいぶ異なり、患者の意思を尊重した自由度の高いものになっているそうです。

「死の体験旅行」はそもそも、欧米のホスピスのスタッフ向けに始まったものと言われていますが、自分の生や死について考える必要性があるのは医療者だけではない、という思いで今まで続けてきました。けれど本来このワークショップを必要としていたホスピスで働く人たちのために開催できることは、まるで里帰りをするような気持ちになり、嬉しくなったのです。

少しでもお役に立てるよう、頑張ってまいります。


◎ お 知 ら せ ◎

◎お盆のご案内 8月11日(日)10時30分より
6月号に同封の法名(戒名)用紙をご利用ください。欠席の場合は、ご縁の方の法名やお名前をお書きいただき、FAXやメールなどでお送りください。

◎盆おどり大会のお知らせ 8月17日(土)18時・18日(日)19時
なごみ庵に隣接する平川町北公園では、毎年8月のお盆時期の土日に、町内会の盆おどり大会が開催されています。住職・坊守も毎年参加して踊っていますので、ご一緒しませんか?なごみ庵に荷物を置け、お手洗いもお使いいただけます。希望者は、坊守が浴衣の着付けもいたします。

◎秋のお彼岸のご案内 9月23日(月祝)10時30分より
別紙の通り、秋のお彼岸法要 〜親と子の読み聞かせ 絵本に学ぶ仏さまの教え〜
をお勤めします。今回の絵本は佐野洋子さん作・絵の『空とぶライオン』です。
ぜひ、ご家族・お子さん・お孫さんもお誘いください。
空とぶライオン.jpg

◎報恩講&宗教法人設立記念 12月8日(日)午後
今年の報恩講は、なごみ庵の宗教法人設立記念行事を兼ねて開催します。特別な行事ですのでご講師も特別! NHKシブ5時でお馴染みの釈徹宗さんをお招きすることになりました!
場所は東神奈川駅/京急仲木戸駅に隣接する「かなっくホール」です。
しばらく先になりますが、どうぞ今からご予定いただければ幸いです。

◦神之木地区センター写経会 8月6日(火)・20日(火) 18時30分
◦死の体験旅行 8月19日(月) 19時 豊島区 金剛院
        9月26日(木) 18時30分 神奈川大学 生涯学習講座
◦自死遺族の集い 7月25日(木)・8月22日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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2019年7月号 [和庵だより]

◇ ありがとう、ありがとう ◇

父のように慕っていた恩師の七回忌法要をお勤めさせていただきました。
私と同じく一般家庭出身で僧侶になったからか、私のことを気にかけてくれ、相談に乗ったり なごみ庵の法話会に駆けつけたりしてくれた方でしたので、なごみ庵が宗教法人化したことを報告するような気持ちで読経をいたしました。
笑い文字 ありがとう.jpeg

恩師の奥さまは川柳の先生をなさっていて、夫が亡くなり6年経ち同じ89歳になった今でも現役で指導をなさっています。川柳は俳句と同じ五・七・五の形式ですが、季語を用いるなどの約束事が無く、またシルバー川柳やサラリーマン川柳などコミカルなものも多くあります。

法要の際、ご自身の作品が掲載されている川柳の雑誌を頂きました。掲載されたそれぞれの作家の句が五首ずつほど掲載されていますが、奥さまの作品は全て七回忌を詠んだものでした。

その中で印象に残ったのは「七回忌 あなたの命 信じたい」という句です。あなた=夫は6年前に亡くなっていますので、その「命を信じたい」というのはどういうことでしょうか。

察するに、長く連れ添った「佳き人」との時間や思い出などを暖かく前向きなものとして捉え、また命を終えたあとに再会する世界があり、さらに亡き方が仏さまとなって見守ってくださっているという気持ちを表したものだと拝察をしました。


もう一句、「七回忌 ひたすらありがとう ありがとう」も印象的です。夫と連れ添った今までの歩み、子どもや孫たち、言葉にはしきれぬ数多くのものへ感謝を捧げているように感じられ、中句をあえて字余りにしているのが、感謝の深さ大きさを示しているようです。

「ありがとう」は「有ること難し」という涅槃経の言葉がもとになっています。こんな自分に良くしてくださって、という謙虚さと知恩の気持ちが形になったものです。法人化に際し、恩師や皆さまへの「有り難う」の気持ちを胸に、これからも歩んでまいります。


◎ お 知 ら せ ◎

◎宗教法人化のご報告と御礼
別紙の通り、なごみ庵が無事に宗教法人として認可をされました。
今年の報恩講はその記念行事を兼ねての開催としようと考えております。
12月8日(日)、場所は東神奈川駅/京急仲木戸駅に隣接する「かなっくホール」を予定しております。しばらく先になりますが、どうぞ今からご予定いただければ幸いです。

◎お盆のご案内 7月14日(日)・8月11日(日)両日とも10時30分より
6月号に同封の法名(戒名)用紙をご利用ください。欠席の場合は、ご縁の方の法名やお名前をお書きいただき、FAXやメールなどでお送りください。

◎盆おどり大会のお知らせ 8月17日(土)18時・18日(日)19時
なごみ庵に隣接する平川町北公園では、毎年8月のお盆時期の土日に、町内会の盆おどり大会が開催されています。住職・坊守も毎年参加して踊っていますので、ご一緒しませんか?
なごみ庵に荷物を置け、お手洗いもお使いいただけます。
希望者は、坊守が浴衣の着付けもいたします。

◦神之木地区センター写経会 7月2日(火)・16日(火) 18時30分
◦死の体験旅行 7月22日(水) 19時 豊島区 金剛院
        9月26日(木) 18時30分 神奈川大学 生涯学習講座
◦自死遺族の集い 6月27日(木)・7月25日(木) 10時30分 築地本願寺にて

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