2010年1月号 [和庵だより]
※今まで毎月25日になごみ庵だよりを発行していましたが、今号より毎月1日発行となりました。なので、前号が「2009年11月号」、今号が「2010年1月号」となっています。
一休さん
この「なごみ庵だより」が皆さまのお手元に届く頃には、新たな年を迎えている事と思います。お身内に逝去者の無かった方には年賀のご挨拶を同封させて頂きました。
真宗では死を決して悪い事と捉えず「浄土へ往って仏として生まれ、迷い苦しみの無い存在に成っているのだ」と考えます。もちろん親しい人との別れは辛く悲しいものですが、中には家族を亡くしてもあえて賀状を出す真宗者もおります。
表題の「一休さん」、多くの皆さんはアニメでの印象が強いと思います。賢い頓知者の可愛らしい小僧さん、というイメージだと思いますが、実際の一休宗純は全くの別人です。室町時代の禅宗(臨済宗)僧侶であり、数々の奇行で知られています。
ある正月、杖の先端にドクロをあしらい「ご用心、ご用心」と叫びながら練り歩いたそうです(あるいは、ドクロには目玉が無いので「これが本当の『目出たい』だ」と言ったとも)。
当時は誕生日ではなく、皆正月で歳をとりました。ですので正月をめでたがるだけではなく、一歩死に近づいたのだぞ、と戒めたのではないでしょうか。こんな歌も残っています。
門松や 冥土の旅の 一里塚
めでたくもあり めでたくもなし
仏教のことば「風狂」(ふうきょう)
一休禅師のとった行動は、本来禅僧が守るべき戒律を逸脱しています。しかしその行動そのものが悟りを表しているとされ、それを「風狂」と呼びました。
同義語に「瘋癲」があります。難しい漢字ですが「フーテン」と読みます。なごみ庵の今年の賀状は渥美清さん演じる寅さんのイラストですが、寅さんは劇中「フーテンの寅」と呼ばれています。
杓子定規に考えれば、寅さんは適当で行き当たりばったりの信用ならない不審人物です。ですがなぜか人に愛される不思議な人柄です。
なごみ庵も、見た目はお寺らしくありませんが、なぜか人に好かれ人が集う、今年もそんな場にしていきたいと思います。
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@お知らせ
平成22年より、なごみ庵法話会は第2金曜日といたします。
今までは、1月・4月・11月を第2金曜、それ以外を第1金曜としてきました。しかし間違えやすいのではと思い、第2金曜日に統一します。
また、毎月25日に発行しているこの「なごみ庵だより」ですが、毎月1日に発行日を変更いたします。
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