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2011年5月号 [和庵だより]

◇いわき市へ◇

 震災からちょうど一ヶ月後の四月十一日~十二日、福島県いわき市に行くご縁がありました。
 そもそもは青年会で何か支援が出来ないか、ボランティア活動が出来ないか、と試行錯誤をしていた所、私の知人で浄土真宗本願寺派の赤川浄友師から連絡が入ったのです。
 赤川師は行動力のある方で、震災発生後すでに二度東北地方に行き、三回目であるいわき市入りに際して、広く仲間を募っていました。これに同行させて頂く事になりました。

 電車は不通ですので四台の車に総勢十名が分乗し、いわき市の避難所を二泊三日で九ヶ所訪問の予定です。
 ちなみに私は二日目の夜に用事があり、一泊のみの参加でした。

 十名の参加者(二日目から参加する方もいましたので述べ十七人ほど)は一般の方もいらっしゃいますが、僧侶は各宗派からの参加で、それぞれ特技があります。
 トランペットを吹く方、座禅の呼吸法を教える方、ヨガの先生をしている尼僧さんは、運動不足の避難者のために簡単にできるヨガをお教えしていました。
 また各参加者が避難者に寄り添い、つらい体験や苦しみ・悩みをお聴きさせて頂く傾聴ボランティアもいたしました。本当に微力でささやかですが、現地で活動する事が出来ました。


☆仏教のことば☆
 「災厲不起」さいれいふき

 浄土真宗で大切にされている『仏説大無量寿経』という長編のお経の一部に、「鎮國文(ちんこくもん)」と呼ばれる部分があります。
 「仏さまが歩まれる土地は、その教えが弘がり、穏やかで美しく、災害や争いも起こらず、人々の性質も善良である」というような意味の文章で、建物の地鎮式や落慶法要などでお勤めをされます。
 その中の一語が「災厲不起」で、災害や疫病が起こらないという意味です。

 「なごみ庵だより」や法話会でもお話しして参りましたが、浄土真宗ではお経を呪文のように扱いません。お経を勤める事で、幸福がやってきたり災いが避けられたり、そんな事は現実には無いのです。
 しかしそれでも、大震災の爪痕を見て「もうこれ以上の災害が起こらず、平穏な日々が戻って欲しい」と願う心を抑えるのは難しい事でした。
 四月の法話会や四月二十九日の追悼法要では、最初にこの鎮國文を唱和し次いで正信偈をお勤めいたしました。

   ◇   ◇   ◇
《お知らせ》
 六月~七月ごろから、写経の会を始めたいと思います。お経を書いて、声を出して読んで、意味の解説もいたします。次号で詳細発表予定。

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