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2011年9月号 [和庵だより]

◇法然と親鸞◇

 別紙の通り、十月二十八日にバス旅行の企画があります。後半は上野の国立博物館で「法然と親鸞」展を観覧いたします。法然上人は浄土宗の開祖であり、親鸞聖人は浄土真宗の開祖です。なぜ違う宗派の法宝物が一堂に会する事になったのでしょうか。

 浄土宗と浄土真宗、この両者は名前も似通っていますが、ご本尊も同じ阿弥陀如来、読経するお経も同じものが多く、共通点の多い宗派なのです。
 それもそのはず、両宗の宗祖はもともと師弟関係にありました。年齢こそ四十歳も離れていますし、共に過ごした時間も六年ほどでした。
 当時、仏教の新しい流れであった念仏の教えは、在来宗派から疎まれ、大弾圧を受ける事となります。そしてこの二人は、師は土佐へ、弟子は越後へと流罪となり、二度と生きて会う事は出来ませんでした。

 しかしその事が、師弟を貫く教えをより色濃く残すことになったように思います。つまり、師に認められ短期間に集中的に教えを伝授され、そしてその後の別れによって、教えが純粋なまま深化していく因になったのではないでしょうか。

shinran_honen.jpg
重要文化財「善信聖人絵」
 右上:法然上人 左下:親鸞聖人


☆仏教のことば☆
 「自然法爾」じねんほうに


 古来日本では、身分の高い人は本来の名前(諱=いみな)と、一般に呼ばれる名前(字=あざな)が区別されていました。
 僧侶の場合は「○○房 △△」のように、本来の法名は△△の部分で、通称は○○房の部分でした。

 例えば、平家物語の「敦盛の最期」で有名な「熊谷次郎直実」は次郎が字で直実が諱です。
 この熊谷直実、実は後に出家をして法然上人の弟子となっています。僧侶としての名前は法力房 蓮生。法力房の部分が一般から呼ばれる名前(房号)で、師匠などから呼ばれるのが蓮生(法名)の部分になります。

 浄土宗開祖の法然上人は、正式には法然房 源空というお名前です。その通称である「法然」は今月の仏教の言葉「自然法爾」からきています。
 自然法爾とは、阿弥陀仏の誓願が私たちの思いや作為を超えて私たちに届いていること、そして同時に救済が完成していることを表しています。

 また房号や法名とは別に、非常に高徳な僧侶に朝廷から贈られる大師号があります。有名なのは伝教大師最澄や弘法大師空海でしょう。法然上人の大師号は、五百回忌以降五十年ごとに変更される事になっており、この八百回忌からは「法爾大師」となりました。

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