SSブログ

2014年8月23日の東京新聞 [その他色々]

先週8月16日に続けて、東京新聞に本多靜芳師の文が掲載されました。
P1040438.cng.jpg

この時期だからでしょうか。先週は国家権力に考え無しに従うことの危険性が説かれ、今週はもっと直接的に戦争について触れられていました。サブタイトルは「阿修羅の正義」です。興福寺の阿修羅像は深い考えを秘めた少年像として有名ですが、一般的に阿修羅とは戦い争いをやめることが出来ない存在、または状態を指します。


ここから先は私の考えも入ります。戦争とはマンガや映画の世界では「正義と悪」という構図で描かれますが、実際には「正義と正義」がぶつかり合うものです。お互いの利害から生ずる「正義」が、ぶつかり合うのが戦争だということです。でもどちらにも、夢や希望や理想、愛や友情や家族がある人々なのです。

その相手を悪として、自らを善として、そうして戦争への道が作られていくのではないでしょうか。
ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』という本があります。ベトナム戦争の帰還兵、アレン・ネルソン氏の著書です。

この中には、ネルソンさんが兵士になり、教育と訓練を受ける様子が書かれています。それは「敵は人間ではなく悪魔のようなものだ」という教育。そして無感情に、反射的に敵を殺せるようになる訓練です。そしてネルソンさんは、その訓練通りベトナムで人を殺しました。

ある時ネルソンさんは、目の前で若いベトナム人女性が出産する場に遭遇します。それを見たネルソンさんは「相手は悪魔ではない、人間なのだ」と気付き、呪縛から解き放たれました。そして今、反戦の声を上げ続けています。

戦後69年目。本多先生の文に、戦争を考えさせられる夏になりました。

nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 1

コメント 2

長さん

阿修羅連は下っ端戦士ではなくて、彼の中に戦争是認の意識が元々あるというのが、戦争を起こす仕組みだと思う。つまり、この東京新聞記事で本多靜芳師は、戦争が是認される原因について。浦上哲也さんの言う洗脳教育ではなくて、「元々国内にあった欲得世論が政治的に利用されて、それが戦争の原因になるものだ」と書いてあるように読みました。私の記事の読み違いがあるのでしょうか。
by 長さん (2014-08-27 17:08) 

ボーズandカナコ

>長さんさま
なるほど…戦争は上層部や軍部が起こすというだけではなく、我々民衆が漠然と望んでしまう、ということもあるかもしれませんね。
by ボーズandカナコ (2014-08-29 23:19) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。