『岐路に立つお寺』その2 [その他色々]
2011年3月1日にNHKで放送されたクローズアップ現代『岐路に立つお寺』を見ての記事、長くなったので分けて書いています。
前回の記事で、番組の前半について触れましたが、今回は番組の後半。
<その1へ>
スタジオにカメラが戻り、まず出てくる言葉が「お寺離れと仏教離れはイコールではない」というもの。ここで上田紀行先生が興味深いデータを出します。
良いイメージがある 仏教・・・90パーセント
寺院・・・25パーセント
僧侶・・・10パーセント
座禅や写経は人気がありますし、有名な仏像が博物館に展示されれば長蛇の列が出来ます。つまり人々は、仏教に対して良いイメージは持っています。しかし、お寺や僧侶に対しては悪いイメージの方が強い、という結果です。
上田先生はいくつかの原因を指摘します。
・本来商品ではないお墓や葬儀が、商品として扱われるようになった。
・僧侶(住職)が世襲で家業になってしまった。
・高度経済成長の時代、人々が寺を必要としなかった。
そして、各地で人の実際の悩みに応える様々な活動をする僧侶が紹介されます。まず、大阪で弱い立場にある人を援助する川浪剛師。川浪師は「人と人の縁が断ち切られた先行き不透明な時代、かえって仏教は本領を発揮します。今からが、いよいよ仏教の出番です」と力強く発言します。
また「自殺問題に取り組む僧侶の会」の井上由美子師です。この会は以前私も誘われた事があるのですが、井上師は代表ではなく参加僧侶のひとり、尼僧さんです。
井上師は「この会に参加して、初めて僧侶として誇りを持てるようになった。それまでは、僧侶である事が恥ずかしい、何かやましい感覚があった。坊さんを頼ってくれる人がいる事に責任を持ちたい」とおっしゃっていました。
カメラはスタジオに戻り、再び上田先生の「紹介したような活動をしているお坊さんは、そこに宗教者がいる、と感じさせてくれる。単なるお説教ではなく、行動の中に仏さまが居る」とのコメント。
最後にアナウンサーの「実際に人々を助ける、そして助けとなるイメージを作る事が、仏教に求められているのでは」という言葉で番組は締めくくられました。
<また続く>
いい番組だったと思いました。よくまとめてくれました。ありがとうございます。
僧侶は仏法に基づいた活動をしなさいということなんでしょう。「寺の存続」を基準としてしまうと、それはもうこれからは「違うよ」と気づかせてくれましたね。
寺に安住する私には耳の痛い30分でした。
by 悟道 (2011-03-03 22:37)
>悟道さん
その1、その2で番組を私なりにまとめてみました。次回は…私の感想を書きたいと思います。
by ボーズandカナコ (2011-03-03 23:02)