2011年3月号 [和庵だより]
◇友へのエール◇
親しい友人が転機を迎えようとしている。持病の悪化で仕事を変わらざるを得ない。
同級生なので三十七歳、新たな道を歩むのに遅すぎる事はないと思うが、大変だろうと思う。今こそ夫婦力を合わせて頑張って欲しい。
夫婦の関係といえば、お釈迦さまがある婦人から夫婦仲の相談(グチ)を受けた時、こう応えたという。
世の中には四種の婦人がある。
第一の婦人は、腹立ちやすく気まぐれで欲深く、他人の幸福を見てはそねみ、施す事を知らない。
第二の婦人は、腹立ちやすく気まぐれで欲深いが、他人の幸福をうらやむ事がなく、施す事を知っている。
第三の婦人は、心広くみだりに腹を立てず、気まぐれでもなく、欲を抑える事を知っている。しかし他人をうらやむ心が取れず、施す事を知らない。
第四の婦人は、心広く腹を立てる事なく、欲を抑えて落ち着きがあり、そして他人をうらやまず、また施す事を知っている。
さて、あなたは何番目の婦人だろうか?
こう言われた婦人は、自分の事を棚に上げ夫の悪口を言っていた自分を恥じ、第四の婦人になろうと努めたといいます。今の日本でも「婦人」を「配偶者」に置き換えて、充分に生きる教訓ではないでしょうか。
☆仏教のことば☆「布施」
上記のお釈迦さまの言葉に「施す」という語が登場します。一般に布施といえば、僧侶に渡すお金か「シクラメンのかほり」を連想する方が多いと思いますが、もともと布施は仏教の修行の一つです。
布施にも種類があり、お金の施しは財施といって、出家修行者の生活を支えるものです。また逆に、出家修行者が仏法を説く事を法施と言います。
暖かい笑顔(和顔施)や優しい言葉(言辞施)も施しです。そうなると、甘い歌声で人を感動させる布施明さんは「美声施」といった所でしょうか。
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【金子みすゞ ひとり舞台情報】
5月14日~6月5日まで、横浜そごう六階の「そごう美術館」で金子みすゞ展が開催されます。
期間中の5月21日(土)午後2時より、私たち夫婦のライフワーク「金子みすゞ いのちへのまなざし」の上演が決定しました。
寺院本堂での公演が多かったのですが、初のデパート公演です。来月のなごみ庵だよりにチラシを同封しますが、お芝居の席数が限られているようですので、観覧希望の方はお早めに左記番号にご連絡下さい。
そごう美術館
電話 045ー465ー5515
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