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2011年7月号 [和庵だより]

◇伝える事の難しさ◇

 先日、鎌倉市の専門学校で「金子みすゞ」を上演させて頂く機会がありました。お寺での公演が大半で、今まで学校といえば県内の小学校と、都内の仏教系中学校の二回だけです。
 専門学校ですから、高校を出たあたりの二十歳前後の方が多く、こういった年齢層の方に観て頂くのは初めての事でした。

 いつも通り三時間前に到着し、使わせて頂く部屋を見たり準備をしながら過ごします。授業の合間の学生さんとすれ違うのですが、明らかに坊さんという格好の私を見て「??」となりながらも挨拶はしてくれます。
 しかし若いっ! 自分もまだまだ若いつもりでいましたが、自分と半分ほどの年齢の方ばかり、しかもたくさん居るので、どう接して良いかわかりません(汗)。

 この緊張感は、お芝居上演前のお話の時にピークに! 仏教に特に関心は無いだろうし、学校の行事だからそこに居る、という若者が少なくないでしょうから、いつもお寺で話すのと全く雰囲気が違います。しどろもどろになりながら、何とか前説明を終えてお芝居に引き継ぎました。

 お寺で話をする時は、聴く側もそのつもりで来ているでしょうし、仏教に少なからず関心もあるでしょう。そういった下地が無い場所で話すのが、いかに難しいかを思い知りました。


☆仏教のことば☆
 「安楽庵」あんらくあん


 三重県に安楽庵という茶室がありますが、今月の言葉はそれとは全く無関係です。「安楽庵 策伝(あんらくあん さくでん)」という僧侶のお名前です。

 江戸時代初期の浄土宗の僧侶であった策伝は、笑い話が得意で説法にも笑い話を織り交ぜていたそうで『醒睡笑』という滑稽話の書物を残しており、落語の祖と言われています。

 また当時の僧侶の中には、辻説法(街角で説法をすること)をする時、人を集めるためにまず笑い話をして関心を集め、それから仏法を説いた方もいらしたそうです。

 今も昔も、人に話を聴いて頂くというのは大変な事なのですね。

  ☆   ☆   ☆   ☆

 昨年夏〜暮れにかけて、なごみ庵で映画の撮影をしていました。美術系大学の学生さんで、卒業製作だそうです。先日無事に映画は出来上がり、学生さんたちも卒業できました。

 せっかく出来上がった映画なのだから上映会をしたらどうか、とのご意見が出ましたので、七月の夜の法話会で上映会をいたします。自分が映っているので恥ずかしいですが…。

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