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2011年12月の法語 [月々の法語]

前に生まれんものは後を導き 後に生まれん人は前を訪え

Those who have been born first in the Pure Land guide those who come later, and those who are born later join those who were born before.

『教行証文類より』


 今年のカレンダーの言葉は、親鸞聖人の主著である『教行証文類(教行信証)』から抜粋されています。
前後の文章も含めて現代語訳をすると…

「『安楽集』にいわれている。「真実の言葉を集めて往生の助けにしよう。なぜなら、前に生まれるものは後のものを導き、後に生まれるものは前のもののあとを尋ね、果てしなくつらなって途切れることのないようにしたいからである。それは、数限りない迷いの人々が残らず救われるためである」となります。


 この一文は、教文類・行文類・信文類・証文類・真仏土・化身土と六巻に渡って記されてきた『顕浄土真実教行証文類』の最後に記されている言葉です。また『安楽集』は中国の道綽禅師が書かれた書物の名前です。

 親鸞聖人がおっしゃるのは、つまり過去の偉大な師の言を後世に伝え、また後世の者たちも先師の教えをひも解いていって欲しい。それは全て迷いのこの身が救われるためなのだ、という事でしょう。


 『顕浄土真実教行証文類』は親鸞聖人の「主著」と言われます。しかし信文類の冒頭には「愚禿釋親鸞集」と書かれています。これは、自分自身の考えを述べた書物ではなく、あくまで過去の師のお言葉を集めたのだ、という意味です。

 「私が人々を救うのではない、阿弥陀如来がそれをされるのだ」
 「私は師から教わったその事を、ただ伝えているだけなのだ」という聖人の基本姿勢と謙虚さが伝わってきます。
 また、全六巻に渡る長編の、最初と最後に記された言葉を読むことによって、揺らぐことのないその姿勢を感じることが出来ます。

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