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2013年2月の法語 [月々の法語]

人間とはその知恵ゆえに まことに深い闇を生きている

Human beings, because of their own intellect, are living in profound darkness.

高 史明


 今年のカレンダーの言葉は、様々な念仏者の言葉から選ばれています。

 2月の法語は、山口県生まれの在日朝鮮人の作家・評論家である高 史明(コ・サミョン)さんのお言葉です。高さんは昭和7年生まれの81歳。私は高さんの『生きることの意味 ある少年のおいたち』という本を持っていますが、高さん自身の貧しかった少年時代から青年時代までの半生が書かれています。

 高さんは後に12歳の息子を自死で失います。そこから親鸞聖人の教え、中でも『歎異抄』に深く感銘を受け、それに関する多くの書物を出版しています。

 さて、今月の言葉ですが先月の「とにかくお慈悲の力はぬくいでなぁ(足利源左)」という素朴でほっこりとした言葉とは正反対の雰囲気を持っています。

 仏教で「ちえ」という言葉を使う時、「知恵」と「智慧」とで使い分けをします。「知恵」は限界のある人間の「ちえ」、「智慧」は限りない仏さまの「ちえ」です。今月の言葉では「知恵」が使われています。

 お寺の本堂や家の仏壇の飾りには意味があって、花は仏さまの慈悲を表し、ローソクは仏さまの智慧を表しています。暗闇を破る明かりを、愚かさを破る智慧として表現しているのです。

 もちろんローソクの明かりは頼りないもので限界があります。人間の知恵も限界があって、全てを照らすことは出来ませんし、必ず影を生み出します。だから今月の言葉は「人間とはその知恵ゆえに、まことに深い闇を生きている」と書かれているのでしょう。一方仏さまの智慧の光は限りない光ですから、全てを照らし尽くして影を作らないのでしょう。


<後半のお話しはちょっとプライベートなことも含んでいるので非公開とさせて下さい>

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