SSブログ

かりょうびんが!? [その他色々]

先日、お手伝いさせて頂いているお寺で法事をお勤めした時のこと。
読経が済み、法話も終えてから、参列者に「何かご質問はありますか?」と問いかけました。

こうした時に出てくる質問は、「お焼香の正式な仕方」や「念珠の持ち方」などの作法的なことや、「何回忌までお勤めすればいいですか」といった法要に関することが大半です。しかし以前このご家族から仏教的な質問が出た記憶があったのでお尋ねしてみたのですが、想像以上の質問が来ました。

それは……
「お経の中で『かりょうびんが』と聞こえましたが、何のことですか?」
というもの!

確かに浄土真宗で読経する「阿弥陀経」に「迦陵頻伽(かりょうびんが)」という言葉が出てきます。極楽浄土に住むという想像上の存在なのですが、なぜ質問に結びついたか尋ね返すと、漢字検定の勉強をしていると仏教用語がよく出てくるとのこと。テキストには「迦陵頻伽・・・空想上の生きもの」としか書かれていなかったこと。文字と言葉の響きが美しいので印象に強く残ったこと、ということでした。

極楽浄土には、実在する鳥や想像上の鳥がいて、美しい声で仏さまを讃え、また仏の教えを口ずさんでいるとされています。その姿を説明しようと思った時に、ふと思い出しました!

「そうだ、お寺の玄関に迦陵頻伽がいますよ!」
「えっ!?」

皆さんを引き連れて玄関に行くと、そこには…
IMG_1706.cng.jpg

きゃ〜〜、モンスタ〜〜!
じゃなくて迦陵頻伽の木像が飾られています。

見ての通り上半身は人間で下半身が鳥という、どう考えても想像上の生きものです。
「なんで羽と腕があるの?」というツッコミは無しでお願いします m(_ _)m

ギリシャ神話にもハルピュイアという、顔と上半身が人間、それ以外が鳥という怪物が登場しますが、人間の想像力が生み出すものは洋の東西を問わないようです。

もっともハルピュイアは怪物として恐れられていますが、迦陵頻伽は美しい演奏と声を誇る極楽浄土の生きものですから、扱いは随分違います。
質問してくれた方も、実際の(木像ですが)迦陵頻伽の姿をご覧になって、印象に深く残ったのではないかと思います。これで漢検で「かりょうびんが」が出題されても大丈夫ですね!

ちなみに愛知県に、浄土真宗のお坊さんで結成された「法話楽団 迦陵頻伽」というグループがあります。音楽と法話を組み合わせた講演をしていらっしゃるそうで、私もCDでしかお聴きした事がありませんが、お話も音楽もとてもステキなものでした。

ぜひ一度、生でお聴きしたいものです。

nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。