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いわき市こころのケア その4 [東日本大震災]

翌朝、一番に訪問を予定していた小学校、授業の一環として訪れる予定でしたが、昨日の余震で市内全校休校に。

なので予定が変わり、1件目の訪問地は中学校の体育館。2人のおばあちゃんの所に傾聴に入ると、ここでは身内を亡くしたり、いまだ不明の方が多いとの事。基本的に読経は無しの予定でしたが、同行の真言宗の方はどうしてもと頼まれ、読経をしておりました。

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体育館の外には、砂まみれのアルバムが…こういう物を見ると、生々しいです。

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ボランティアの理容師さんが、校舎の入り口で希望者の髪をカットしていました。

次の訪問地が、私にとって最後になります(他のメンバーはもう1泊)。
こちらはすごく綺麗な公民館で、会議室や和室など部屋がたくさん分かれ、その部屋に7〜10人ずつ入っています。なので比較的プライバシーも守られ、雰囲気も良い印象でした。

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隊長の赤川師、笑い療法士である事を活かしてユーモアを交えてお話しをされています。

ここで傾聴させて頂いたのは、小さい子をもつお母さんで、その言葉が印象的でした。彼女の家は被害を免れましたが、海沿いにある実家が跡形も無くなったそうです(ご家族はなんとか無事でした)。

本震の2〜3日後、実家の跡を見に行ったら、海がとても綺麗だったんだそうです。空も抜けるような青さで雲ひとつなく、海は今まで見た事もないほど穏やかでキラキラと輝いて…。

そんな海を見て彼女は「どうしようもなく悲しく、同時に腹が立った」とおっしゃいました。気持ちとしては「これだけの事をしておいて、なに澄ましてるのよ!」との事でした。


ほんの1泊の現地入りでしたが、まず抱いたのは、僧衣を着て現地に行った自分に、果たして何が出来たのだろうか、という思いです。私が被災者のお役に立てた、とは到底思えませんでした。

そんな、医師でもない炊き出しをするでもない私を、避難所の方々が受け入れ話をして下さった事に、ただただ感謝をするしかありません。

傾聴をさせて頂いた方の所から失礼する時、私は自然と正座の姿勢から両手を床につき、頭を地に擦り付けるようにして「有り難うございました」と挨拶をしていました。
現地に来る前は、自分がそんな行動をとるとは想像していませんでしたが、自然と体が動いた事に驚きを覚えました。

何の役にも立てなかった私ですが、それでも現地に行った事に意味が無いとは思えません。また次の計画もありますし、いかに今回の経験を繋げられるか、それが大切ではないでしょうか。

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ジョーユー

全く、その通りです。
遠くからボランティアに来ていただいて、
その方々に失礼があってはならないとの優しさから、
ボランティアの人たちに現地の人がボランティアした!
と、阪神淡路の時に言われた笑えない話がありました、、、。
自己満足にならないように、心します。
なかなか難しいですね、、、。
お疲れさまでした。
by ジョーユー (2011-04-21 15:44) 

ボーズandカナコ

>ジョーユーさん
私たちの方が、得るものが大きかったかも知れませんね…
でも私たちも、微力ではあっても無力ではなかった、と信じたいです。
by ボーズandカナコ (2011-04-21 22:21) 

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